【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ35)

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座って夜空を見上げると、視界全体に見える星がキラキラと輝いていてずっと見ていられる。

浜｢Aは、星、好きなのか？｣

そう問われ、私はすぐに頷けなかった。

嫌いではない。すごく綺麗で、ずっと見ていられる。

けど、星を見ると、あの日のことが思い出される。
あの日、私が死んだあの瞬間。

凄く、苦しくて、痛くて、二度と味わいたくもない、死の感覚。

それが、星を見て無理矢理と思い出されるから、好きとは言えない。

『うーん…多分嫌いかな』

浜｢えっ、そうなの！なんで？｣

『うーん、星をしっかりと見たあの日が…良くない日だったからかな。だから、見るとその日の記憶が思い出されるから…嫌い』

浜｢そうか…｣

『けど…やっぱり星は綺麗だから、つい見てしまう』

そう言って私は星空を見上げ黙り込むと守一郎くんも黙り始めた。

会話がなくなり、虫の鳴く音や草の擦れる音など自然の音しか聞こえない中、守一郎くんは口を開けた。

浜｢…なぁ、聞いてもいいかな？｣

『何だ？』

浜｢Aは…何で、ここに来たの？｣

さぁ、と肌を撫でるような優しくてひんやりとした風が流れる。

私は彼の顔を見ると、とても真剣で、けど、何処か寂しそうな顔を私に向けていた。

浜｢俺達が初めて会った時、Aは帰る家を無くしたから来たって言ってたけど…その、もっと、詳しく聞きたいと…ずっと、思ってて…｣

言葉を濁しながら語る彼に、私は星空を見るのをやめて地面に目線を変えた。

『なんで？』

私はついその言葉を零してしまった。

浜｢俺…Aのこと、もっと知りたいんだ。

いつも頼ってと言っても、Aは頼ってくれない。まだ会って時間が経ってないから仕方ないとは思ってる、けど…

もっと頼って欲しいんだ。

だから、Aのこと知りたい。知って、役に立ちたい｣

その言葉に、胸が苦しくなる。嬉しい、けど…これ以上、迷惑かけたくないと思っている自分が勝っていて、甘えたくても甘えれない。

『…ごめん、そういう事なら、言えない』