【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ31)

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そう言うと彼は眉を八の字にして笑みを浮かべた。

田村｢そうか…まぁ、会ってからそんなに時間も経ってないからな。仕方ないか…｣

残念そうな顔をする田村さんに胸が少し痛んだ。

田村｢しかし、Aは、どうやって守一郎と仲良くなったんだ？私でさえ怖いと言っているのに…

…というか守一郎のあの声のうるさい所とか結構苦手のように見えるが｣

『えっと、それは…

少し恥ずかしい話ですが、守一郎くんの笑顔で、怖く無くなりました』

田村｢は？｣

あっけらかんとする田村さんだが、しばらくすると口からブハッと笑いが漏れたかのように笑い始めた。

田村｢なんだよそれ…

けど、たしかにな。アイツの笑顔は太陽みたいに眩しいよな｣

『彼の笑顔が忘れられなくて…あと、仲良くなりたいとも言われました』

田村｢仲良くなりたい？｣

『はい。それが、凄く嬉しかったんです。そうやって言ってくれる人、会ったこと無かったので…』

田村｢そっか、それなら、私もはっきりと言った方がいいか…

なぁ、私もAと仲良くなりたいな｣

『へっ？』

田村｢守一郎に沢山のAの話を聞いて、私もAと仲良くなりたいとずっと思っていたんだ。

駄目か？｣

仲良くなりたい。

本当に？こんな自分と仲良くなりたいと思ってくれてるの？

本音を言えば嬉しい。

けど、私は部外者で、皆さんと仲良くなる資格など、無いのに…

『何故…ですか？

私は、忍者でも何でもない…ただの庶民なだけの私に…何故、仲良くなりたいのですか？』

田村｢うーん…まぁ、同い歳っと言うのもあるが…

ただ、何となく、守一郎からAの話を聞いて、一度、話してみたいなと思ったんだ。それだけかな｣

私は口をぽかんと開けたまま黙り込んだ。

なんというか、とてもふわっとした理由で戸惑ったが…

たったそれだけの理由。けど、嬉しいと思った。

『そうか…ただ、お話をしたいがためにか…

そっか…』

田村｢結局、どうなんだ、いいのか？｣

『…大して面白い話ができるか分かりませんが、よろしくお願いします。田村さん』

そう言うと田村さんは疲れているはずなのにとても嬉しそうな笑顔を浮かべて｢よろしく！｣と言った。