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不破｢もう、Aをからかいすぎ｣
尾浜｢で？どうだった兵助。Aの可愛い顔を見た感想は？｣
みんな一斉に久々知兵助の反応を確認した。
竹谷｢…顔が真っ赤｣
彼は頬を赤く染めていたのに指摘すると、彼は顔を両手で抑えた。
久々知｢へっ！いや、これは…｣
尾浜｢いや、意外な反応にこっちが困るよ｣
久々知｢いや、その…思っていたより、可愛かったから…その、驚いただけだ｣
鉢屋｢…もしかして、恋に落ちたか？｣
久々知｢はぁ！？なに言っているんだ三郎！｣
竹谷｢いや、その反応はそうにしか見えないぞ兵助…｣
不破｢うーん、相手は僕達と同じ同性だけど…同性同士の恋もあるから大丈夫だよ兵助｣
久々知｢いや、だからそうじゃなくて！｣
尾浜｢とうとう兵助は豆腐の以外に好きな物が増えるとは｣
鉢屋｢私は応援するぞ、兵助｣
久々知｢だから、違うって言ってるだろ！！！｣
彼の疑いを晴らそうとする叫びは食堂の外まで響いたのだった。
…………………………………………
彼、Aの食べた後のあの顔に、可愛いとも思ったが、どこか愛おしいとも思った。
三郎がAを連れてきた後、俺にこっそりと言った。
｢好きな事をすれば、もしかしたらAが自然と笑えるかもしれない｣
…と。
まぁ、確かにそうなるかもしれないが、余計な事をしやがってと少し苛立った。
しかし、実際は違かった。
結局、笑顔は見せなかった。けど、彼の意外な顔が見れたことに、何故か心臓の鼓動が激しくなる。
可愛かった。自分で作った豆腐は美味しいのはわかっているが、Aが食べることによってより美味しそうに見えた。
可愛いく、そして愛おしく思ってしまった。
これが恋に落ちたのではないかと言われるが、きっと、違う。
だって、相手は男で、自分も男だ。同性同士の恋愛など有り得ない。
きっと、きっとこれは違う。言葉では表せない感情だと信じたい。
そう言い聞かせるが、
しばらくAのあの顔が脳裏に焼きついてしまい、時々思い出して顔を赤く染める事が起こるなんて彼は知らなかった。
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作者名：お昼寝 | 作成日時：2021年3月20日 22時
