【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ18)

今日:8 hit、昨日:18 hit、合計:49,157 hit

・ページ18

・
昼休みの委員会の活動も終わり、僕は自分の教室に足を運んでいる。

食満｢伊作｣

同じクラスかつ同室の留三郎の声が背後から聞こえた僕は足を止め振り返る。

伊作｢あ、留三郎。今から教室に行く所かい？｣

食満｢あぁ、一緒に行こう｣

そう言って僕達は一緒に教室に向かって歩き始める。

伊作｢…留三郎。朝言っていたAくんの事だけど｣

食満｢あぁ、アレか。今は保健委員の手伝いで来ていると聞いたが…どうだったか？｣

伊作｢留三郎の言うとうり、Aくん、あまり僕と目線合わせなかった。下級生なら大丈夫なのか真剣に話している姿が見えたけど

…やっぱり、僕達に怯えてるみたいだ｣

そう、今朝、鍛錬から帰ってきた留三郎がAくんについて言っていた。

｢自然に接しているが、俺に怯えてた｣

…と

しかし、二度も大切な人を無くした彼は平然と人と会話できる状態であるとは思えない。

だから、これは仕方がないとは思っている。

けど…

それにしては、少し違和感がある。

初めてAくんと対面した時、彼はとても丁寧に挨拶をしてくれたが、僕達に怯えてるような所が少し見えた。

そして僕が彼の頭を触ろうとした時咄嗟に避けられた。

それに、数馬に言ったあの台詞、

まるで彼自身にも向けているように見えた。
経験があったから言えた言葉なのかもしれない。

だとするなら、もしかしたらAくんは、個人、もしくは身内で何かあったのかと思った僕は先に身内に目つけて彼に質問をした。

すると、彼は少し黙りこんだが、彼の口が開いた言葉は両親を尊敬し、愛していた事に驚いた。嘘かと思ったが、本当のように見えて嘘とは思えなかった。

食満｢おい伊作。突然黙り込んでどうした？大丈夫か？｣

伊作｢あ、いや…大丈夫。Aくんを心配してただけだから｣

食満｢そうか。
アイツも早く此処になれて少しでも心を開いてくれたらいいな｣

伊作｢そうだね…｣

…謎のある彼だが、まずは彼が心を開いてくれることを第一に考えよう。

彼は無理してしまう所もあるからしっかり見守っていかないと、後戻りできない所まで行ってしまうからね。

そう考えた僕は彼をより観察しようと決めた。