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そう言われると、最初に入ってきた善法寺さんに目が入って、三反田くんの姿が見えなかったことに気づく。
何か違和感があるな、と思ったらこういうことか
彼の言うとうり、確かに存在が薄い。
けど…
『君の髪の色が…綺麗だった印象があったの』
三反田｢えっ？｣
『あと、私が昨日2人に怒られていても、君は優しく微笑んでくれた。その笑顔がとても素敵で、忘れられなかった。
実は最初、君の存在が見えなかった。けど、その髪色が見えて、君の笑顔を思い出した。そしたら三反田くんが見えた』
三反田｢そう、だったのですか｣
『あと、私は君の存在を忘れても名前は忘れないよ。
どれだけ名前を忘れられるのに慣れたとしても…呼ばれないのは、嫌だからな。
だから、君の姿が見えなくなったとしても、私は君の名前を呼んで探すよ』
私も、この時代に来る前までは名前なんて呼ばれたことなんてほとんどなかった。
親からはお前扱い。同級生や他の人からは苗字呼び。
名前を呼ぶ人なんて、全くいなかった。
慣れても、名前を呼ばれなかった事に自分という存在を拒否されてるような気がして、辛かった。
けど、この時代に来て、私の名前を呼ばれ始めた時、とても嬉しかった。性は無く、偽りの名前だが、それでも私を見ていてくれてるような気がして嬉しかった。
だから、名前の大切さを知った私は、みんなの名前を忘れたくない。ここにいるみんなの名前を忘れたくない。
私と同じ思いをさせたくない。
『約束するよ、君も、みんなも…絶対忘れないことを』
三反田｢あ…ありがとうございます！｣
すると、先程から自分達の会話を聞いていた新野先生が私に話しかけた。
新野｢Aくん。このまま彼の治療を続けてはくれないかな？教えるより実際にしたほうが教えやすいからね｣
『わかりました。
間違いが無いよう気おつけます！』
そう言って私は新野先生から傷薬を貰い、彼の治療を始める。
慎重に、丁寧にしていくと新野先生から｢手際が良い｣と評価された。
治療が終わり、私は一息を着いた。
新野｢先程も言ったように、手際がとても良かった。両親は医者だったのかい？｣
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作者名：お昼寝 | 作成日時：2021年3月20日 22時
