【忍たま】私は幸せを願った2 (ページ15)

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綺麗に包帯を巻かれた後は頭も診察された。

新野先生から言うにはそこまで深く切られてないおかげで、もうかさぶたになっているようだ。
包帯はとって、塗り薬を塗るようにと言われた。

乱太郎｢良かったですね｣

『うん…これで頭の包帯は解放されたよ…』

新野｢ですが、かさぶたを掻きむしらないように｣

『はい…』

そう言っていると、誰かが来たのか戸が開いた。

『あ、善法寺さ…ってどうしたのですか！』

入ってきたのはボロボロな姿をした善法寺さんとその後ろに三反田くんがいた。

服は土だらけで、頬は擦り傷だらけだ。

乱太郎｢伊作先輩大丈夫ですか！｣

『三反田くんも大丈夫？』

三反田｢えっ……あ、はい！

伊作先輩と一緒に保健室に行こうとしたら、途中落とし穴に落ちてしまって…｣

乱太郎｢あー、今日も不運が…｣

『不運…

あ、確か…ここは不運委員会とも呼ばれて…』

伊作｢うん…とりあえず、治療お願いします｣

そう言って私たちは2人の治療を始めた。

と言っても私は初めてなため見学だが、忘れないようメモをとっていく。

それにしても、乱太郎くんは10歳なのに手際がいいなぁ…

新野｢Aくん。私は薬を取ってくるから、傷についている土を拭きとってくれるかい｣

『わかりました』

そう言って私は新野先生と代わり三反田くんの傷についている土を拭き取っていく。

『痛かったら言っていいからな』

三反田｢はい…あの、｣

『あっ、今の痛かった？』

三反田｢いえ！あの…僕の名前、言ってくれませんか｣

『えっ！えーっと…三反田数馬くん？』

突然の事に戸惑いながら彼の名前を言うと、彼はとても嬉しそうな笑顔を浮かべ目に涙を溜めた。

三反田｢な…名前覚えてくれてる…｣

『え、え！なんで泣いて…やっぱり今の痛かった！？』

三反田｢ち、違います！そうじゃなくて…自分、影が薄くて、皆から名前や存在を忘れられがちで…だから、その、さっき、Aさんがぼくに気づいてくれて、それで名前も覚えててくれたのが、凄く、嬉しくて…｣