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六話 ページ7

「え?」


太宰君は食えない笑みを浮かべて、そう云った。


「私はひどく傷つけられた。だから、そのお詫びがあってもいいと思うのだよね」


………ちょっと図々しいな。


「そして、そのお詫びは『君が私と付き合うこと』!理解した?」

「理解したけど………、お詫びを変更してもいいかな?」

「駄ァ目!別に本気で付き合うなんて思わなくてもいいから。ほら、私ってモテるでしょ?」


唐突な自慢が始まった。たしかにモテるけれども、自分で云うのは如何なものか。


「毎日毎日、告白されてしまってね。決して嬉しくないわけではないのだよ。ただね、みんな時間と場所を弁えず告白してくるから、私も疲れてしまうのだよ」


たしかに、太宰君が告白されている現場はよく見かける。

七メートル先に居る太宰君に「太宰せんぱーい!大好きです!」と叫ぶ後輩や、「太宰君!愛してる!」と休み時間に教室の入り口で叫ぶ、別クラスの宮下さん。

挙句には、授業中に教室に乱入して、「私には貴方しか居ないの!」と太宰君に抱きついてクビになった音楽教師の山崎先生(31)。

改めて考えてみると、太宰君は人外を生むのが得意だなぁ、と思う。


「君には是非、彼女たちから私を守ってほしいのだよ!」

「………、いや無理無理無理!私、人外と戦うすべなんて持ってないよ!」

「君って少し失礼だよね。守る、なんて云い方をしたけれど、付き合ってるフリをして、女性避けしてくれるだけでいいから」


だからそれが無理なんだよ。

太宰君と付き合うイコール学校中の女性が全員敵になるってことと同義だからね。生徒だけでなく、先生も敵になるんだよ。

第一、太宰君に彼女ができただけで太宰君ハンターたちが諦めるわけないし。


「中也と仲良くなれるかもよ?」


拒み続ける私に、太宰君は云った。ニタニタと口角を上げて笑う太宰君は、さながら悪魔の様だった。


「そ、そんなんじゃ釣られないからっ!」

「でもこのままだと、君、中也と一言も喋らずに学園生活を送ることになるよ?」

「い、いやいや。一言くらいは……」

「話せないように私が阻止する」


太宰君の目はガチだった。何が何でもそうする、そういう意志を感じた。これは何を云っても無駄だな。そう思って、仕方なく頷いた。


「いいよ。でも、半年間だけね」


そう云うと、太宰君はさっきのガンギマリ顔を辞めて、穏やかな笑みを浮かべた。

「これからよろしくね、Aちゃん」

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嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時

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