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三十三話 ページ34

帰り道、太宰君は媚びるように私の周りをうろちょろしていた。正直、かなり歩きにくいし、鬱陶しいことこの上ない。


「Aちゃん、許してよ」

「嫌」

「お願いだよ。ほら、私すごく反省してるよ?」

「ダメ」

「甘いもの奢るから」

「………いいよ」

「やったー!!」


決してお菓子に釣られたわけではない。私は太宰君と違って大人だから、仕方なく許してあげたのだ。決してお菓子に釣られたわけではない。


タイミングよく近くにコンビニがあったので、二人で店に入った。


「ねねっ、眼球グミだって。これにしたら?」

「何でそんな好き嫌い分かれるやつなの」


私は「これは?これは?」と、独特なものをチョイスしまくる太宰君を無視して、アイスコーナーへ向かった。


「んー?Aちゃん、アイスにするの?」

「うん、せっかくだし二人で食べれるやつをね」

「おお、それは嬉しいね」


私は真ん中で二つに分けるタイプの棒アイスを手に取った。


「ほら、お財布係。会計行くよ」

「酷い!結局、Aちゃんは私のお金しか見ていないんだねっ!」

「ほら、混まない内にレジ行くよ」







お財布係こと太宰君に買ってもらったアイスを持ってコンビニを出た。


「どこで食べる?」

「ここでいいんじゃない?」


駐輪場を指す。自転車は珍しく泊まっていなかった。

私は太宰から受け取ったアイスの袋を開けて、棒の部分を持って、アイスを二つに割った。


「あっ………」

「ありゃ」


アイスは二等分にならずに、上部分で途中で割れた。割るのに失敗して左右がちぐはぐになった割り箸みたいだった。


「………はい、太宰君」

「私が小さい方なの?」


不満そうにしながらも、太宰君はアイスを受け取った。二人で壁に凭れる。私は無言でアイスに齧りついた。

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嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時

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