三話 ページ4
次の日、ドキドキしながらも学校へ行った。私の一番の心配は太宰君がラブレターに気づいてしまうことだった。
私が中原君のことを好きだと知られることはそこまで不味くない。ただ、私が書いたことを中原君や他の人達に広められるのはごめんこうむる。
教室の前に辿り着いて、すぅー、と深呼吸をする。扉をそっと開けた。何人かが一瞬こっちを見たがすぐに逸らし、会話に花を咲かした。
中原君の方を見ると、太宰君と仲良く?会話していた。一瞬こちらに視線をやったがすぐに逸らした。
よかった。広められてないみたい。ほっと胸を撫で下ろし、私も自分につく。何にも変化がなくて安心した。
____今日も絶賛ぼっちだ。
*
午前の授業を適当に流し聞き、ぼっち飯を済ませ、睡魔と戦いながらも午後の授業を受けた。
時計を見る。
少し早いがそろそろ屋上にでも行こうかな。
荷物は教室に置いたままにして、屋上へ向かう。階段キツいな……。はぁはぁと息を切らしながらも屋上へ着いた。が、中原君は居ない様子だった。まあ、ちょっと早めに来たし。
数分待ったが中原君は来ない。先生からの人望も厚いし、雑業を押し付けられているのかもしれない。
十分ほど待ったが中原君は来ない。中原君モテモテだし、別の子に呼び出されているのかもしれない。そんな理由じゃないことを祈ろう。
二十分待ったが中原君は来ない。おかしいな、彼は部活には入っていないのに。あ、テストも近いから友達に勉強を教えているのかもしれない。成績良いし、優しいからね。
もう一時間近く待っている。文化部なんてもう帰り始めている。中原君は優しいから来てくれると思ったのに………。
匿名だったのがいけなかったのかな。いたずらと思われてたりして。このまま待ってくれも来なさそうだし帰ろ。そんな風に思い始めた時だった。
____こつこつと階段を登る足音が聞こえたのは。
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嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時