検索窓
今日:32 hit、昨日:43 hit、合計:34,607 hit

二十九話 ページ30

今日はいよいよ中間テスト本番だ。一時間目に国語、そのあと数学、社会、理科、英語と続いてく。


国語は順調だった。元々国語はそこまで悪くなかったというのもあるし、太宰君に教えてもらった文法なんかも使いこなせる様になっていた。


問題の数学。問題用紙を開いて驚いた。スラスラと頭の中に解答の手順が浮かんでくるのだ。

授業では手も足もつけられなかった応用問題ですら、五分足らずで解けるようになっていた。


社会も理科も英語もそんな調子で簡単に解くことができた。まるで別の人と脳みそを入れ替えたみたいだった。


「Aちゃん、テストどうだった?」


太宰君が楽しそうに尋ねてくる。


「順調に解けたよ」

「それは良かった」


うんうん、と太宰君は頷く。彼にテストはどうだった?なんて聞いても簡単だったよ、と云われるだけだろうし、敢えて尋ねないでおく。


「ここでお願いがあるのだけどね」

「お願い?」

「テスト勉強を手伝ったのだし、何かご褒美が欲しいなって」

「あーね………」


相変わらずの太々しさである。しかし私も太宰君に何かお礼を、と考えていたので了承した。


「で、何がいいの?」

「うーん、そうだねぇ………」

「じゃあテスト返されるまでに考えといてよ」

「やったー!んふふ、楽しみにしているよ」


不敵に笑う太宰君に嫌な予感がした。しかし追及せず、その場はお開きとなった。

三十話→←二十八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (243 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
323人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。