二十三話 ページ24
太宰君に強引に手を引かれて歩き始める。早くその場を離れたいのか、若干早足な太宰君。足の長さ的に私はほとんど小走りになってしまっていた。
「は、早いって」
「………ごめん」
目を逸らし、頬を膨らませながら太宰君が云った。うん、反省してないな。
「………私が最初に誘ったのに」
太宰君がぼそりと小さく呟いた。確かに最初に誘ってくれた太宰君を素直に優先するべきだったかもしれない。少し反省する。
「ごめんって」
「………別にぃ」
ふいっと顔を逸らす太宰君。
「Aちゃんがぁ、中也のことぉ、だぁいすきで、ラブレター出すくらいだったことも知ってたしぃ、私のこと、大して好きじゃないことも知ってるもーん」
「ちょっ、云い方」
「でもこうして私と一緒に帰ってくれてるわけだし、私が中也に勝ったってことでいいよね?」
「んん………?」
「云ってたでしょう?中也が『私は気に入った相手に執着する』って」
「うん?」
「つまり、君のこと気に入ってるってこと」
え、なんか意外だな、と思いつつ太宰君を見た。少し不満そうに頬を膨らませている。
「普通なら、これで女の子は赤面してくれるんだけどなぁ」
「だって太宰君のは恋愛的な意味じゃないでしょう?」
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嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時