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十六話 ページ17

「というか、太宰君。相談したいことがあるんだけど」


そう云うと太宰君は、私でよければ力になるよ、と返した。そっか、よかった。ほっと胸を撫で下ろす。


「太宰君のファンが怖いんだけど」

「そうなんだ。私も怖いよ」

「さっき力になるって云ったよね?」

「力及ばず、すまないね」

「ええ………」


太宰君、それはないよ、と声を漏らす。じゃあ、君は素手で熊を倒せるのかい?太宰君は意地悪く云ってきた。いや、それは無理だけどさ。


「太宰君ってあの人たちの調教師みたいじゃん。太宰君の云ったことなら聞いてくれそうだけど」

「Aちゃんって、実は毒舌だよね」


ふーむ、と手にあごを当てて、太宰君は考えるような仕草をした。


「確かに、私が云ったことなら聞いてくれるだろうけど。でも彼女たち、私と二人きりになった瞬間に襲ってくるから」

「ほんとに熊じゃん………」


うんうんと頭を悩ませる。太宰君が撒いた種とはいえ、あんまりあの人たちと一緒に居させるのはよくないなぁ。

私が説得?いや、襲われる。太宰君とは違う意味で。


「まあ、策がないわけではないのだけどね」

「え、そうなの?」

「ふふんっ。私が今までどれだけ女の子と付き合ってきたと思っているんだい?中には、君のように追い詰められる子だって居たよ。でも、愛の力で乗り越えた………!」

「でも別れてるじゃん」


芝居がかったしゃべり方が少しムカついた。それに愛の力で乗り越えた先が破局ってどうなのよ。


「追い詰められた子の共通点はね、容姿に華がないこと。つまり、君が着飾れば解決する」

「もしかして私、喧嘩売られてる?」


華がないって失礼な。自覚はしてるけどさ、人に云われたら、なんか腹立つじゃん。それに私が着飾っただけで解決なんてするわけない。トンデモすぎるよ。


「相手がかわいい子だと、みんな納得するんだよ。私は敵わないなって。でも自分の方がかわいいのに、自分より容姿の劣ってる相手が選ばれるのか、納得できないんだよ。それで攻撃しちゃう」


丁寧に説明されると、たしかにそうかも、と思ってしまう。太宰君の言葉って、変に説得力あるんだよね。


「Aちゃん、せっかくかわいらしい顔してるのに、前髪で隠すのもったいないよ。それにスカートも長すぎ。スケバンみたいだよ」

「そこまで長くないわっ!」

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嘘だろお前まさか - マヂこの小説好きです…これは切実に夢主チャンと中也結ばれて欲しいけど、太宰サンの小説(メタ)だし太宰サンの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいン…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか!!!! (2月20日 22時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か!?太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘たまき | 作成日時:2023年12月5日 15時

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