十四話 ページ15
特に手も出されず、無事放課後まで乗り切った。多少睨まれはしたけど、直接何かをしてくる人は居なかった。
太宰君に教室に誰も居なくなるまで待っててね、と云われ、今日出た課題を熟すことにした。
十分くらい経てば、クラスの半数が居なくなった。そしてさらに十分もすれば、教室に居るのは、私と太宰君だけとなる。
「Aちゃん、こっちこっち」
自分の席に座った太宰君が手招きをする。近寄れば、「ここ、座って」と自分の隣にある席を指差した。どうしたんだろう、と不思議に思いながら腰掛ける。
「手、出して」
「手？どうして？」
「いいから」
わけもわからず、甲を下にして手を差し出す。何、手相占いでもするの？
頭にはてなマークを浮かべていると、太宰君は私の手を＿＿＿＿、撫でるように触れてきた。思わず手を引っ込める。
「な、何してるの」
「ん？いやぁ、Aちゃんに触れ合うの、慣れてもらおうと思ってね」
恋人なんだから、手を繋ぐくらいしてないとおかしいだろう？でもAちゃんは慣れてなくて、すぐ照れちゃうから、練習しようと思ってね、と太宰君が説明した。
たしかに、すれ違うカップルたちはみんな手を繋いでるし、やっぱりそれが普通なのかな。
「ね、ほら。もう一回、手出して」
少し迷ってから手を出した。次は引っ込めないように、と思い、腕全体に力を入れた。
太宰君に手のひらをなぞられ、くすぐったくて手が震えた。
「ほら、力抜いて」
「で、でも」
緊張でガチガチの私にそんな余裕がないことを理解した太宰君は、絶妙なタイミングで手をなぞってきた。肩から一気に力が抜ける。太宰君は笑った。
「その調子だよ」
「だ、太宰君、ちょっと休憩っ」
「だぁめ」
「ええぇ……」
緊張と羞恥で大変なんですが。バクバクと波打つ心臓に気づかぬフリをして、目をつぶって耐えることにした。太宰君はそんな私を見て、仕方ないねぇ、と云った。
「じゃあ、三分間休憩あげるから、次は君から触れてよ」
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嘘だろお前まさか - ﾏﾁﾞこの小説好きです…これは切実に夢主ﾁｬﾝと中也結ばれて欲しいけど、太宰ｻﾝの小説(メタ)だし太宰ｻﾝの気持ちも報われるといいね…考えれば考えるほど難しいﾝ…もう会話の一つ一つがえもいというかなんというか！！！！ (2月20日 22時) (
レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
Kakinotane - 好… 最高か！？太宰さんかわよいし、中原さんも主ちゃんを支えてくれてるの良いなぁ (2月10日 17時) (レス) id: 495f3defd1 (このIDを非表示/違反報告)
あっぴー - くぅぅぅふつうに尊い… (2月10日 14時) (レス) @page28 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - 感想さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2月4日 18時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
感想 - なんだかんだ一番面白い好きお話の続き応援してるので完結してください! (2月4日 18時) (レス) id: 37e340b4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橘たまき | 作成日時：2023年12月5日 15時
