ポートマフィアのカウンセラー2

49、知能のない太宰イコール西園寺 ページ3

詳しく国木田君に話をすると、どうしてそうなった、と谷崎君そっくりの反応をいただけた。


「それに何だ、『西園寺太宰』などと云う珍妙かつ小癪な名は」

「西園寺太宰、いいと思うけどな〜。かっこいい苗字とかっこいい苗字の掛け合わせだよ。最高にイカしてんじゃん」

「………もういい」


とうとう国木田君が頭を抱え出した。


「貴様を相手にしていると太宰を彷彿とさせる。貴様はまるで知能のない太宰だな」

「酷い！馬鹿で太宰君みたいだなんて、最低の悪口じゃん！」

「西園寺さんも中々に酷いですよ」

「どうッわ！！」


突然太宰君が背後から頭をニョキっとさせて登場した。あまりのことに驚いてひっくり返ってしまう。


「どうも、西園寺さん」

「だ、太宰君………」


胡散臭い笑みを浮かべる太宰君。私、この人に似ているのか。


「小癪だねぇ………」


やっぱり太宰君に似ていると云われるのは気に食わないな。


「それと！素人の独断で勝手に他の被害者を帰らすなっ！」

「ごめんなさい、つい」

「つい、じゃない！」


それについては帰らせるべきではないんだろうな、と思っていたが、幼い子も居たし、怯えていたから、つい。


「いいじゃない、国木田君。西園寺さんでなければ犯人を手懐けることなんて出来なかっただろうし」

「本当に………、何故そうなったのだ」

「ね、吃驚だよね」


他人事のように云ってみれば国木田君に睨まれた。


「もう夜も深い。家まで送ろう」

「きゃあ〜、国木田君ったら送りオオカミ？積極的なんだからぁ」

「………はぁ」

「すごい。女性慣れしていない国木田君が赤面しないなんて」

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