ポートマフィアのカウンセラー2

57、悪夢の始まり ページ12

私の両親はとても厳しい人だった。大企業の社長ということもあり、礼儀作法には特段厳しかった。気に入らないことがあれば、私や使用人に当たるのだ。

遊ぶ友達なんかも決められていたし、習い事なんかも沢山させられた。


中学校受験の年は毎日五時間の家庭学習と、三時間の予備校での学習を強制させられた。寝る間を惜しんで毎日勉強した。


それなのに中学受験は失敗。両親は私を殺す勢いで殴り続けた。結局公立の学校へ通うことになり、両親は私にまったく関心を示さなくなった。


小学校が同じ子も沢山いたが、放課後は勉強と習い事ばかりだった私に友達はできなかった。クラスでもどんどん孤立していった。


そしてある日、クラスの中心人物に放課後呼び出された。

普段は使われていない、ほとんど倉庫のような扱いの教室に来いと云われていた。嫌な予感がしていた。でも行かないと、それはそれで面倒なことになりそうだった。

仕方なく、と重い身体を引き摺るように、呼び出された教室へ向かった。


教室に入った瞬間、こめかみ辺りに何かが振り下ろされた。急な痛みに思わず蹲ると、横から私を呼び出した人物とその取り巻きが笑いながら教室を出ていった。


何をされたのだろう。周りを見渡すと、床には投げ捨てられるように置かれたモップがあった。これの柄で殴られたのだろう。

その後は何もすることもなく、私を殴った奴らに仕返しをすることもなく帰った。

そして、その翌日から私のいじめが始まった。

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