43、恐怖より羞恥心 ページ45
敦君たちが相談室を出てから少しして業務時間が終わりに近づいてきた。
久しぶりの出勤日、ほんと色々なことがあったな。そういえば敦君は毎日学校に来るわけだし、早く入社祝いを買わなければ。
帰りに探してみるか。そう考えながらせっせと帰る準備をした。
.
入社祝いは腕時計なんてどうだろうか。
社会人ならばほとんどの人間が付けているであろうものだ。しかし敦君は学校で会ったときは何もつけていなかった。
うちの学校には腕時計をしてきてはいけない、なんていう校則は特にない。それどころか半分以上の生徒が腕時計を持ってきている。
ならば敦君は腕時計を持っていないのかもしれない。
ないと不便なことも多いだろうし、それに高価なものでもある。新入社員ならばそこまで給料も高くないだろうし、買うのが難しいのかもしれない。
腕時計のお店と云えば、十二番通りにあったような。
ここからそこまで離れていないし、少し探してみよう。そう思って頭に十二番通りまでの道のりを浮かべながら、道を歩いた。
.
「金を出せッ！さもなくば、この女を殺すぞッ！！」
甲高く上がる悲鳴。ドタバタと逃げ惑う人々の足音。強盗の怒鳴り声。そして、何故か人質になった私。すべてが地獄的だった。
何でこうなったんだ………。そんな後悔に近い思いを持ちながら、こうなった経緯を思い浮かべた。
敦君のためにかっこいい腕時計を買おうとお財布の残金を確認していると、千円札と小銭少々しかなかったので、ATMでお金でも下ろそうかとコンビニへ寄った。
店に入った瞬間、ピリピリした空気に包まれた。
顔を隠すようにマスクとフードを被った一人の男。そしてそいつの持つナイフ。そこには漫画なんかでよく見るような強盗が居た。
間抜けに入店してきた私は見事人質となり、身動きを封じられ、まるで見せ物のようだった。
44、女優にだってなれる気がする→←42、貴方のせいで夜も眠れない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 266人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗雪(プロフ) - あ、やばい。中也とのやり取りが好き過ぎて天国に上ってまうんだが。。。。。 (11月1日 20時) (
レス) @page34 id: 7cb363da36 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - おそらだみょんさん» 応援ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (10月15日 13時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
おそらだみょん(プロフ) - 中也とのやり取りが頭に浮かんで口角が上がりすぎて元に戻っちゃうぐらいです。応援してます！ (10月15日 12時) (レス) @page21 id: 1556141491 (このIDを非表示/違反報告)
橘たまき(プロフ) - みあさん» コメントありがとうございます！私もコメントが嬉しすぎて天空カジノまで飛んで行っちゃいました。更新頑張ります！ (10月8日 7時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - やばい好きすぎる…リアルで口角ﾆﾁｬｱｱｱｱｱｱｱってなって天空カジノまで飛んで行ったんですけど。。。。。。愛してます！めちゃ好きですこれからも頑張ってください！ (10月7日 20時) (レス) @page15 id: 2a2ca5b148 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：橘たまき | 作成日時：2023年9月23日 8時
