🐼一本 ページ18
剣道部🐼
初めて、彼から" 実はさ、来週試合あるんだけど、見に来てほしいな〜… "とお誘いを受けた。予定は幸い空いていたので" 行きたい! "と応え、試合会場を教わった。
一人で行くのは何か、心細いからと友人を1人誘って行くことにした。" Aがそういうのに誘うなんて珍しいね "と、少しからかわれてしまったが
−当日−
彼に会場に着いたよ。連絡をすれば、ちょうど携帯を見ていたらしく、入口で待ってて!と返事が来た
「A〜!」
「あ、なかむ」
「来てくれてありがとう」
彼は既に体を慣らすために動かしていたらしく、面以外の防具を付けたままだった。お礼を言いながら笑った彼は輝いて見える
「私も試合してるなかむ見てみたかったから…」
「え……なんか照れるな…………俺、第3コートで試合やるからあっち側にいてくれたらよく見えると思うよ」
私が前から思っていたことをボソッ と言えば、聞こえたらしく、運動後だからと言うよりは照れで顔を赤らめている彼がいた。照れながらも、試合をするであろう会場を教えてくれた。
1番見える所に行こうね と友人と話して、彼はまた体を動かす為にチームメイトのいる場所へと踵を返して行った。
運良く、前の方で見ることが叶った。数戦、試合を見たあとに、彼の姿が見える。どうやらこれからが出番らしい。
剣道は詳しいどころか、全く知らないけど彼の試合を見ることになったので、少しだけ勉強したのだ。
面から覗く鋭い目付きが、普段の可愛らしい印象の大きく丸い瞳の印象を覆した
デート時の爽やかな服も声も___紺色の防具に包まれ、相手を威圧するような声を発しているのが彼なんだと思わされる
審判が彼側の色の旗を上げる。1本が決まったようだ。勢いのある竹刀の振りも、綺麗な抜けも素人目でも分かるぐらいだった
結果は彼の2本取り、且つ相手に1本も取らせなかった
面を外す彼もかっこよくって、手拭を付けたまま会場を見渡す彼が視界にいた。私と目が合った気がしたその時、手を振っていつものように爽やかに笑みを浮かべたの
ーーー
113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wt」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Himawari | 作成日時:2021年12月15日 18時