不幸な出会い ページ1
耳に着いた小さな鈴。
その音が彼女の存在を裏付ける。
その音がどこから聞こえているのかは、他の人からはわからない。
珍しい頭巾付きの羽織は、黒から水色へのグラデーションで作られている。
顔には能面の真蛇の面がつけられている。
依頼人以外の言葉に、聞く耳持たずという意味を込めた。
素肌が見えるところなどほとんどなく、男物の黒系統の袴を着て、腰に刀を携える。
今日も今日とて、依頼のために動く。
カラスに括り付けられた紙を頼りに、その場所へと向かう。
それで鬼殺隊の人に出会うことも稀ではない。
「なんで君がここにいるの?……
私は考える。
さて、どう切り抜けようか。
髪の長い少女も刀を振るう時代が来たのか。
と少し感心してしまった。
そんなことはどうでもいい。
切り抜ける方法を考えないと。
使いたくなかったけど、なぁ……
「
小さな声で、既に抜刀されていた刀の切っ先を地面に向け唱える。
雲を発生させ、自分の姿諸共、相手から隠す技。
本来はその見えないすきに攻撃をする技。
雲でおおわれる前、この技には少女も驚き、緑がかった碧い瞳を見開いていたのが見えた。
私はその隙に、依頼された場所へと駆ける。
昔、一緒に手紙を埋めたそうだ。
それを掘り返して欲しい。とのこと。
依頼人はこの村からだいぶ離れた土地に住み、今では家族もいて家をあけられない、だから頼んだそうだ。
「ちょっと待って!!!!」
足音も気配も消してたはずなのに、なんで?
「きみは何者?」
少女ががっちりと、私の腕を掴んでいた。
この子、ただの隊員じゃなさそうだ。
「……雲の呼吸、参ノ型・
例え私の肉体を掴もうと、私は姿を消せる。
掴んでいるそれは残像だとも言えるなんとも不思議な技。
雲を薄く纏い、半透明に見せ掛け刀を振るう。
そうすることで大抵の相手は距離をとるか、死ぬかする。
それが朧。
「っ、っと、危なっ。」
案の定、その少女も手を離した。
「少しくらい答えてくれても良くない?」
だんだんとイライラしてきている。
「君、鬼殺隊じゃないよね?」
砂を踏みしめ、音を立てながら先程あけた距離を詰めてくる。
「ここで何してるの?」
一歩一歩、近づいてくる。
「ねぇ、答えてよ。」
これが彼との出会い
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あい - この物語とても面白いです。続きが早く見たいです。 (2020年1月25日 23時) (レス) id: bcb6bd7e00 (このIDを非表示/違反報告)
なか(プロフ) - 金米糖さん» そんな勿体ないくらいのお褒めの言葉ありがとうございます!これからも精進して参りますのでどうか見捨てないようお願い致します! (2019年12月8日 7時) (レス) id: f9727ae2bd (このIDを非表示/違反報告)
金米糖 - また読んでしまいました。何回でも読みたくなるお話を作れて尊敬します。 (2019年12月3日 21時) (レス) id: e31feca5f7 (このIDを非表示/違反報告)
なか(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます!捏造に想像を重ねて物語を作っておりますので、どうか楽しんで頂けたら幸いです! (2019年11月28日 12時) (レス) id: f9727ae2bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 初コメ失礼します!とても面白いです!続きが楽しみです!無理せず作者様のペースで更新頑張ってください。 (2019年11月28日 0時) (レス) id: c8f2fa6e5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なか | 作成日時:2019年11月19日 11時