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執務室へ行く途中、佐倉さんと女の人が話している姿を見かける。
「何が気に入らないのかイライラしっぱなしで…あたしだってパートとかあっていっぱいいっぱいなのに…。」
あの方は…確か巣鴨さんの奥さん…。
少し気が立っている様だけど、佐倉さん大丈夫かしら。
そんな心配をしながら影から見守る。
…だけど、彼女は心配ご無用だったみたいで。
「そんなにお忙しい中よく面会に来られて…凄いと思います。」
「…嬉しい。ありがとうね。」
「いえ…。」
こうやって患者さんじゃない方の心も落ち着かせることが出来るのが、看護師だ。
私な素直に佐倉さんや他の看護師さんを尊敬する。
私達医者には、出来ない技。
巣鴨さんの奥さんと別れた佐倉さん。
私は彼女が遠く離れていくのを見守り、執務室へと再び足を動かした。
どこかで練習をするのだろうか。
カツカツ、と低めのヒールの音が院内に響く。
浬に今は会いたくないな。
小児病棟の方から遠回りをして行こう…そんな考えが頭をよぎる。
杏里ちゃんに会っておきたいから丁度良いだろう。
そんなこと、思わなければよかった。
ここを曲がれば小児科のナースステーションに着く、そんな曲がり角を曲がった時誰かとぶつかる。
「すみませ…ぁ…。」
相手は会いたくなかった彼、浬。
「ごめん、浬。」
「いや、別に。」
そう言うと、そのまま私の横を通り過ぎていった。
冷たくなった浬の態度に涙が出そうになるのをこらえる。
…私のせい、か。
いやでもキスしてきたのはあっちだし…！
モヤモヤしたまま歩いていると、ナースステーションから結城先生や新人看護師くん…仁志くんの声が聞こえる。
「あの様子じゃプライベートゼロだろうなぁ…彼女とか居ないんですかね。」
恐らく仁志くん達の話題は浬のことについてだろう。
「彼、女…。あ、星野先生。」
そそくさと逃げようとすると、結城先生に捕まった。
「な、なんでしょう…。」
「星野先生、天堂先生って彼女居るんですか？」
と、バッサリと聞いてきた仁志くん。
私はそれに言葉を詰まらせた。
今の彼女は、浬には居ない…今は、ね。
ちらり、と結城先生の持つ杏里ちゃんのカルテを見る。
"拡張性心筋症"
診断と書かれた枠内にその文字があった。
…佐倉さんには、話しておいた方が良いのだろうか。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
