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「きっついなぁ…相変わらず。」
「針刺しやるなって言われてもねぇ。ただでさえ人手足りないのに。」
「すぐに復活します。…練習します！ご心配おかけしてすみません！」
先輩2人の言葉にも同意をせず、ただただ俯いていた佐倉さんはそう言い残し採血キットを持ってどこかへ行ってしまった。
…心配、ではあるけれど良くある事だから。
それより酒井さんは…あ、居た。
「酒井さん。」
タオルを片付けていた彼女は私に気づくとそれを机に置き、こちらに来た。
「どうかしましたか？」
「これ。新しい患者さんの資料ね。」
「…！言ってくれたら取りに行きました…！」
「大丈夫よ。さっき私も届け忘れたし。」
「すみません…ありがとうございます。」
ふんわりと笑った酒井さんに母性本能のような物がくすぐられる。
…ダメダメ、抑えないと。
変な人に思われてしまう。
「ふふ、いいの。」
「…さっきのこと、なんですけど。」
酒井さんが私の機嫌を気にするように切り出したのは佐倉さんの話。
「うん…どうかした？」
「星野先生…っ…怖かった、です。」
恐る恐る言われた言葉に、グッと胸が苦しくなる。
流石に言い過ぎだっただろうか。
「佐倉さんの失敗は許される訳では無いのは私も分かってます…ですが…星野先生が怒らなくてもっ…。私は、優しい星野先生が…！」
「…ごめん。ごめんね、酒井さん。」
目に涙をうかべ訴えてくる彼女に、謝ることしか出来なくて。
ただただ、頭を撫でて…落ち着かせるだけ。
酒井さん、私と誰かを重ねているのだろうか。
私を見る目と、他の医師を見る目が時々違う時がある。
…もしそうなら、その話も聞かせて欲しい。
それで彼女が楽になるのなら、私は喜んで受け入れる。
「すみません…取り乱して…。」
「大丈夫…こっちこそ、ごめんね。はいこれハンカチ。使って？」
「ありがとう、ございます…。」
ハンカチで酒井さんの目元を拭き、そのままそれを渡す。
そして私はその場を離れた。
ナースステーションから出るも、執務室に行くのは気が引ける。
だけど…仕事、だから。
私情はもう、絶対挟まない。
ペチッと顔を叩き、執務室へと向かった。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
