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後ろを見ると、そこに居たのは浬。
…なんで。
病室に行ったんじゃなかったの。
そんな気持ちは言葉にならずに心に留まる。
「どうかした？」
「…少し話がある。」
「ちょ…！」
そのまま腕を掴まれ、夜勤用の休憩室に連れていかれた。
シャーッとカーテンを閉めた浬。
腕を組んで私を見る彼は、あからさまに機嫌が悪い。
「どうしたの。」
「…様子が変だったからな。」
「それはっ…浬が昨日…。」
「あぁ…気にしてたのか。」
"気にしてたのか"
その言葉に込められている感情は何？
あんなことも気にしてたのか、ってこと？
…意識してたのは私だけってことか。
「…そう、気にしてた。私だけ、ね。ごめんなさい私情を挟んで。」
「別に俺が言いたいのはそれじゃ…。」
「…そういえば佐倉さんのこと抱き締めたんでしょ？優しいね、天堂は。」
そう言い残し、休憩室から出る。
するともう酒井さんは戻ってきていて。
酒井さんが心配したように駆け寄ってきたが、心配させないよう適当に言っておいた。
辺りを見回すと、小石川先生が来ていたのでそちらへ行く。
杏里ちゃんのことを話していると、佐倉さんがゆっくりとした足取りでナースステーションへ入ってくる。
いつの間にかパソコン前に座っていた浬は佐倉さんの放った言葉を復唱した。
「立て続けに失敗した？」
「はい…。結局、あの後田沢さんのも失敗してしまって。」
「それで？どうしたの。」
見兼ねた根岸さんがそう言い、佐倉さんに近づく。
「変わりにしておきました。」
その問いに対して答えたのは佐倉さんじゃなく、後ろに居た酒井さん。
酒井さんがしてくれたんだ…。
確かに、彼女がやれば確実だけれどこのままじゃ酒井さんに負担が掛かってしまう。
「ありがとね。」
「何やってんだお前…。」
「まぁ1度失敗するとまた次緊張して失敗…まさに負のループ。よくある事だけどね。」
「そうですね…そこを克服してもらわないと。じゃないと患者さんにとって危険です。」
小石川先生のフォローを隣で聞きながらも、私は思ったことを言った。
自分でも厳しいことを言ったと思う。
…少し、イライラしているからかもしれない。
「復調するまでお前針刺し一切禁止。」
「え…。」
「治療の邪魔でしかない。」
また、いつものように言い放った浬はナースステーションを出ていった。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月9日 23時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 13時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
はる - 更新応援してます！！頑張ってください！ (2020年6月3日 16時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
椋羽 - 続きの更新お願いします。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 66e72a95d0 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 絽梛さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません…。頑張ります…！ (2020年3月14日 11時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かの x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2020年2月15日 21時
