君、護、月になる。

【19】 ページ19

藤「ひぃ....寒いなぁ」


駅前でわたを別れてホームに入る。








ーあっ、あの......。





ホームのベンチに座っていると
誰かに声を掛けられた。





藤「あ、はい......あ、ど、どうもっ！」







嘘だろ....。




北「こんばんわ。
先程はご来店いただいて、ありがとうございました」

藤「あぁ、いえいえ！
今度はちゃんと伺いますので！！」

北「いえいえ、時間ある時で大丈夫ですから」





やべぇ....北山さん、めちゃくちゃいい匂いする！！




目もクリクリ。


唇に至っては、もぉ女子並みにプルプル。




ダメだ、可愛すぎて凝視できない。




藤北「あ、あのっ！！」



か、被っちゃった......。




北「あ、そちらからどうぞ！」

藤「いやいや、俺のは大したことないので！」

北「あ、じゃ.....この前もこのホームで会いましたよね」

藤「覚えてたんですか！？」

北「その後千賀の店で会いましたもんね」





あ、そうだった！


あの時のお礼言わないと！




北「ホームであった時は用事があってあっちの線に乗ったんです。
用事が済んでから千賀の店に行って、そしたら藤ヶ谷さんが
酔いつぶれてしまって......だからこの前エレベーターですれ違った時
ビックリしちゃいました」

藤「あ、そうだ！その節はご迷惑お掛けしまして」

北「お気になさらないでください！
逆にあんなかっこいい藤ヶ谷さんが酔いつぶれちゃう姿
なんて滅多にお目にかかれないって千賀が言ってたから
ラッキーって思っちゃいました！」






いちいち可愛い。






終電も近いから、電車の中は閑散としていて
隣に座る北山さんの息遣いがより鮮明に耳に入ってくる。







北「じゃ、おやすみなさい」

藤「あぁ、おやすみなさい」





家に入って鍵を閉めた後



玄関で1人悶えながら、可愛かった北山さんの
頭の中でひたすら、エンドロールの様に垂れ流す。

【20】→←【18】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す