クロトの微笑。

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目を開けると、かっこよすぎる顔が
目の前にあって





思わず視線を逸らしてしまった






北「な、なんですか？////」

藤「あんまり寝顔が可愛かったからっ...ふふっ、すいません」

北「謝らないでっ...その..嬉しいからっ////」






俯いたボクの頭を撫でてシートベルトを外し
車の外に出た






ボクのほうに来て、助手席の扉を開けてくれた




藤「寝てたから、体痛いでしょ？
　 はい、手.....どうぞ？」

北「あ、ありがとっ...ここへはなにしに？」

藤「あぁーいやっ...その....大事な話があって。
　 横尾さんから聞いたんです」





横尾さんからか





藤「ここ、北山さんにとって大事な場所だって」






この海辺は人があまりこない




もちろん、いまもボクと藤ヶ谷さんだけ






この海辺は、妹を亡くしたボクが
シスターを出会った場所



あの日の海も、今日のように穏やかで
荒れていたのはボクの心だけだった




シスターの暖かい眼差しが太陽のようで




荒れていたボクの心に輝をくれて......。






あの日からボクは、変わった。





あの日からボクの世界は、変わった。




誰かを愛することの大切さ、難しさ。



誰かに愛されることの喜び、貴重さ。








なんとなくわかっていた


ここに来た理由も、藤ヶ谷さんのジャケットの
右ポケットの膨らみも。







それでもわからないふりをしていたのは




この幸せに足を踏み入れることを
躊躇っていたからなのかもしれない






また愛する人を失ってしまうんではないかと。





怖かったんだ。

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