◎ に ページ4
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『 Aー!!! 』
「 うわあ、びっくりびっくり 」
『 廃部だって!! 』
「 ……何が? 」
『 オカルト研究部!! 』
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私は胡桃に連れられるがままオカルト研究部の部室へと入った。
入るとそこには大きな張り紙があり
“廃部のお知らせ”と書いてあった。
ご丁寧に書類まで並べてある。
「 本当だ。廃部だね 」
『 そこで勧誘に来たんだけど 』
「 誰を? 」
『 Aだよ!A! 』
頭の整理がつかず少し動きが固まる。
「 なんで部員でも無いのに連れてこられたのかと思ったら
そういう事…… 」
『 Aって帰宅部だったよね
ほら、今入部したらギフト券10枚付いてくるよ 』
「 そんな怪しい勧誘みたいにしないで 」
もう既に廃部と決まった部活に入る馬鹿は居るのだろうか。
それに部員を増やした所で廃部への道は変わらないだろう。
「 他の部員は? 」
『 居ないよ 』
「 ……帰らせて頂きますね 」
『 待ってぇ〜!!
分かった、特別に図書券も10枚つけちゃう! 』
そう言いながら私の腕を必死に引っ張る胡桃。
「 今更部員増やした所ででしょ! 」
『 分かんないよ、Aが入ったら
先生の気が変わるかも! 』
「 そんなわけ…… 」
そう言い争っていると、突然部室の扉が開いた。
思わず言い争っていたのをやめて扉の方へ目線を向ける。
『 …今日はやけに騒がしいと思ったら
お前らか 』
「 心外です 」
入ってきたのはディルック先生だった。
相変わらずの無表情で私達を見つめていた。
『 書類は書いたか? 』
『 いや、廃部は認めてません 』
『 生徒が認めていなくても
こちら側でもう決まった事だ 』
『 分かりました…先生もギフト券欲しいんですね 』
「 ……胡桃 」
胡桃もディルック先生もお互いに
表情一つ変えずに会話している事が不思議で仕方がない。
無表情の先生は書類を机に置き、話を続けた。
『 生憎だが、部員1人で何の功績も挙げていない
部活に割く費用はうちの学校にはない 』
『 なら自分で部費を出します 』
『 駄目だ 』
『 それに部員も増えました! 』
「 ……それ私の事じゃないよね 」
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作者名:きゃと | 作成日時:2022年8月24日 21時