魔法？いえいえ呪術です ≪7≫

285話 ページ5

『もう十分、そいつらには見返したんじゃないんですか？』

アズール「……」



何も発さないアーシェングロット先輩。
この距離で話すのも中々聞き取れないのでタコ壺の真正面まで行き座る。

中の様子は見えないが恐らく、蹲っているんだろう。
反応はしてくれないが声は聞こえると思うからこのまま話そうと口を開いた。


『…俺もね、アーシェ…アズール先輩と同じことがあったんですよ。
とは言っても全く一緒じゃないし、なんなら俺はアズール先輩の反対だった。』

アズール「……」


アーシェングロットは長いので割愛させてくれ。そろそろゲシュタルト崩壊しそうだから。
心の中でそう思いつつも語る口は止めなかった。


　
『俺ね、11歳まで地下牢で生活してたんです。
でも、その地獄から解放されて初めて外に出た時嬉しかったんです。
友達とか出来ると、そう思ってました。

でも、外に出ると俺を見る目は冷ややかな目ばかりだった』

　
　
　
　



＿＿「アレ(・・)はバケモノだ。莫大な呪力を持って生まれた」＿＿

＿＿「生まれながらの才能持ちは良いよな。俺達みたいに努力しなくてもいいんだからさ」＿＿


　
　
　
　



『まだガキだった俺は、その言葉を変な受け取り方しちゃって
“俺は強い”“才能を持って生まれた”ってね。

その時は褒められたことも罵倒されたことも無かったんでね』

アズール「……バケモノは誉め言葉じゃないです」

『そこに反応するかｗ
そう、そいつらが言ったバケモノは誉め言葉じゃない、今は分かる。
でも、今分かっていてもその意味を知るのが遅すぎた』



そっ、と目を閉じ過去の事を思い出しながら語ろう。
俺が初めて外に出てから数年後に起こった出来事を

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