魔法？いえいえ呪術です

27話 ページ31

グリム「それにしてもあのエースってヤツ、遅いんだゾ。オレ様を待たせるとはいい度胸だ！」



グリムの言うとおりだ、もう授業は終わっているはず。
ふと、嫌な予感が頭をよぎる



『授業が長引いてるかもしれないな』

グリム「むぅ…」

『もう少し待とう』


10分後…




グリム「…いくらなんでも遅すぎるんだゾ！？
まさかアイツ、逃げたんじゃないだろーな！」





嫌な予感が的中した
子供すぎるのにも程があるだろ
窓拭きをしたくないからって理由で…
まあ、俺も逃げるがな←




グリム「逃げるんなんて許さないんだゾ！行くぞ、A！
エースをとっ捕まえて、一人で窓掃除させてやるんだゾ！」

『全員でやらないと罰の意味がないだろ』



俺達は、エースを探しに、教室へ行くことに



〈教室 1年Ａ組〉



『…失礼しまーす』

グリム「オラァ！エースはどこだ！……って、もう誰もいない〜！？」

『…終了のチャイムが鳴って30分経ってるからな誰もいないのも当然だ』

グリム「ぐぬぬ！エースの奴！！」


教室はもぬけの殻だった。アイツ寮に帰ったな
その時、「私がいるよ」と誰もいない教室から声がした


声がした方を向くと、壁に飾られていた肖像画が喋っていた



グリム「ギャー！！？絵が喋った！！」
『おぉ…付喪神(つくもがみ)か？』


物が喋るのは俺のいた世界でもザラにある
ここに来る前は地蔵と話したこともあったしな
何を話したかって？いや、腐ったミカンは捨てるべきだよなって


肖像画「なんだい？喋る絵画なんかこの学校じゃあ珍しくないだろう？あっちの壁の貴婦人も、こっちの壁の紳士もみんなお喋りするよ」



周りを見てみると絵画と目が合ったので会釈すると返してくれた
律儀〜

だか、今はそんなことをしている暇ではない


『授業終わりにすまないが、
エース・トラッポラはこのクラスのはずだよな。どこに行ったか知っているか？』

肖像画「あぁ、知っているとも。今少し前に寮へ戻って行ったようだけど…」


グリム「追いかけるんだゾ！」


肖像画がそう言うとグリムはピューっと教室を出ていってしまった


『あ、グリム待て！たくっ…教えていただき感謝する』

肖像画「うんうん、礼儀正しきことはよい事だ。
今年の新入生も君位礼儀があればなぁ」




おおう、サラッと新入生に毒はいたぞ



それから教室を出ていってしまったグリムを追いかけ鏡舎に走っていった

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