貪欲な精神に基づく海賊

29話※ ページ37

口を開いている一年にAは聞いた







『怖いか？』





同意という意味だろう
一年は俯き否定をしない








『別に怖いのが悪いと言いたいわけじゃない、別に怖くても構わないさ』




Aはそう言いながら一年がいる所まで歩いた





『だが、それで＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿









"海賊"を名乗れると思うなよ』






殺気を込められた低い声で言われた一年は
完全に萎縮し、中には震えている者もいた







『かの、グレート･エイトの船長も、貪欲に欲しいものは何でも手に入れていたと聞く。

その貪欲な精神を背負っている俺達が、このくらいの喧嘩でビビるなんざ









許されねぇんだよ』





Aの瞳が寮生達を捕らえ離さない





『海賊なら求めろ、欲しがれ…！






その身が朽ち果てようとも、手に入れろ






邪魔をする奴らは片っ端から薙倒せ！






己の欲望の欲するまま、貪欲になれ！』









Aの言葉に寮生全員が奮い立つ
先程まで萎縮していた一年はもういない
そこにいるのは、覚悟を決めた寮生しかいなかった








その様子を隣から見ていたサリーは
Aに視線を向ける






Aは再び杖を掲げ叫ぶ









『野郎共、覚悟はいいか…









今すべき事はただ一つ









目の前の敵を薙ぎ払え！！！』









オォーーーーーーーーーー!!!!!!!









その声を合図に喧嘩の火蓋が開かれた

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