【忍たま夢】きり丸の為に死ねるなら悔いはない2

情報収集1 ページ23

私はあれよあれよとお城に女中として雇われることになった。しかも住み込み。
私に、くノ一代わりのスパイになれってことらしい。もちろん他のくノ一も若干名いるらしいが、その辺の情報は渡されてない。
私は、うっかり捕まった時に見捨ててもいい程度の人材ってことだ。

雇ってもらうにあたって色々融通とか口利きしてもらったし、もとより助けて欲しいだなんて思ってないからその辺は別にいい。
損切りは大切だしね。

雑渡さんの手際の良さにびっくりだ。
雑渡さんに何かお礼をしようと思ったが、「この城失脚させるんデショ。ならそれが1番のお礼だよ」と、とても大きい見返りを要求された。
これは、失敗できないぞ……！

まあけど、私みたいな一般人を送り込むならそんなにコストもかからないから失敗したとしてもそんなにデメリットがない。
低コストで失脚させてくれるなら儲け物、くらいの考えなのだろう。


なんだかんだとこの城で働き出して、色々分かったことがある。

一つ目、ここの城主はあんまりよろしくない。
美人な先輩はみんなお手付きらしい。ずいぶんお盛んでらっしゃいますね……英雄色を好むとかなんちゃら。でも城主様は英雄ではないのでただの猿、QED。
私も一瞬声かけられたけど、まじまじ見られて「つるぺたはなあ、趣味じゃないなあ」と言われた。趣味は普通らしい。グラマラスな方がお好みだそうだ。
このご時世にあんまいないけどね。
みんなAかBだもの。Cあったら巨乳だし、Dとか色っぽすぎて花街から勧誘くるレベル。くノ一は色仕掛けするから、胸大きい子が多いらしいけど。
閑話休題。

二つ目は、城主様には弟君がいて、弟君はとっても有能そうってこと。
城主様は弟君の優秀さに気付いてて、派閥ができるといけないから弟君をほぼ軟禁している。

私が弟君を知ったのは女中の噂話で。会えたのは偶然。
たまたま部屋を間違えて開けたのがきっかけ。
以来、弟君は私を小さな妹のように可愛がってくれているため、交流もそこそこ。

お城を潰すんじゃなくて、弟君に代替わり、じゃだめかなあ。城主様を追放するのは心痛まないけれど、弟君まで追放するのは胸が痛い。

情報収集2→←ざっとこんなもん2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す