ぶっ壊せ!11 ページ19
私は考える。ジイドとの対戦を前にして何ができるのか、と。
太宰治が転生者な事を踏まえると、他にも居たっておかしくは無い。
だから、予測が出来ないのだ。
原作では安吾の失踪に始まり、幾人もの罪無き命を奪った上で、相討ちという形で終わる。
だが、太宰が居るのなら当然織田作が死なないように策を講じるはずだ。
となれば私が今知っている『未来』は唯の『知識』に成り下がる。
ジイドも救いたいが、最悪
だとしたらどうすれば良いか。答えは簡単だ。
『ジイドに勝つ』
実に簡単な話だ。自分が殺される前にジイドを殺せば良い。
抑も、織田作はジイドの元に辿り着くまでに疲弊していた。ジイドとの一騎撃ちなら勝っていた……と思う。
ジイドと戦う前に防弾チョッキを脱いだから、胸を貫通してしまったが、もし着ていたら織田作は死ななかった。
つまり、私だけが生き残ろうとするなら、話は単純明快で、最も容易い事だという事だ。
だが、誰も殺さずに、誰も死なずに迎えられるエンディングとなると話が違ってくる。
まず、子供達が死なないとなると、織田作が人を殺す大義名分にならない。
大前提から違うのだ。
うじうじ悩んでいても仕方ないので取り敢えず、射撃の腕を確かめる事にした。
最近、
それにどの道、射撃の腕は必要になるのだ。
鍛えておいて損は無い。
幸いにも、今日は依頼が入っていない。休みといえば聞こえは良いが、要は仕事が無いのだ。
銃に弾を装填して、的をチラリと一瞥する。
まずは右手から。3発、煩く音を立てて飛んでいった弾は、全て真ん中に命中した。よし。
次は左手、3発。雷管の音が響き、真ん中と、その少し上と右に逸れた場所に痕がある。
いやあ、止まって撃ってんだから全部真ん中行けよ。
多分、左手は最初に撃った衝撃で少し腕が揺れたんだな、と分析する。
じっくり狙いを定めて撃ったら全部中央に当たるに決まってるので、サッと見てパッと撃つ。
大体全ての弾が真ん中に当たるようになった頃、背後から声が掛かった。
「へえ、やるじゃねェか」
振り向くと
「お前、どこの所属だ?」
「ポートマフィアですが……」
「違う、そうじゃねェ」
じゃあどういうことだ。
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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時