ぶっ壊せ!5 ページ13
今日も今日とて、相変わらず太宰は見つからないし、仕事内容も変わらない。
こんな雑用みたいな仕事だからか、滅多なことじゃ怒られない(そもそも怒ってくれる上司がいない)ので、前世よりかは楽な仕事だ。肉体労働と
まあ、別に会わなくてもいいか。
太宰治が探偵社に行くきっかけを作らなくてもよくなり、それは即ち織田作が死ななくてもいいことになる。
あ、これ、太宰に会わない方が良くね?
うん、太宰は太宰で、違うきっかけを見つけてもらおう。
……もし、太宰がずっとポートマフィアにいた場合、原作はどうなるのだろうか。
中島敦は探偵社に入らず、危険猛獣として軍警に突き出されるのだろうか。
はたまた、川を流れてきたポートマフィアの太宰を助けて、ポートマフィアに入るのだろうか。
そしたら、中島敦も芥川のような扱いを受けるのか?
でもそしたら探偵社とのパワーバランスが完全に崩れるな。流石に太宰と首領を同時に相手取るのは無理だ。
んー、どうしよっかな。理想としては、店主も子供達も、太宰も、
それからジイドも、全員助けたいけど。
ジイドに関しては他殺願望がある為、本人はきっと望まぬ救済だが、織田作はいつだって自分がやりたい事をやってきたので、私もやりたいようにやろうと思う。
なんせ俺たちは過去と将来を語り合った、旧友にも等しい存在だったのだから。
それと、もう一つ理由がある。
私は思うのだ。ジイドや私の異能力はほぼ無敵だ。
実際、ジイドは織田作にしか殺せなかった。戦闘において他の誰にも殺せない、無敵の異能力。
そんな織田作とジイドがコンビを組めば……いや、これは私の希望だな。
そんな事を考えて掃除をしていると、太宰治の姿が見えた。通路に寝そべっていた。
……会いたくないと思えば会ってしまう。そんなものだよなあ。
行き倒れみたいになっていて、周りの誰もがちょっと遠巻きに見ていた。
「あれどうすんの?」「幹部様だし助けた方が良くね?」「でも最年少幹部だぞ、何か考えてやってるのかもしれない」「起こしたら処分されるぞ」
みたいな。
まあ、織田作には関係ないけどね。
「おい、大丈夫か」
肩を軽く叩いて、意識の確認をする。
いくら叩いても起きないので、私は太宰を所謂お姫様抱っこして医務室に向かう。
軽い。めちゃくちゃ軽い。こいつ、何食って生きたらこんな軽くなるの?
廊下のざわつきを無視して、私は医務室の扉を叩いた。
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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時