【 d! 】僕色の花束を君へ【短編集】 (ページ28)

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未経験には辛い物 / ut ページ28

鬱率高いのはご愛嬌。
ただ何かと似合うネタが出来るんですよ(色々押し付けてるだけ)

．

口から吐き出された白い煙。

人はそれを副流煙と呼び、他人に害を加える物だと嫌っている。

彼女がいた時は、彼女の事を第一に考えて、あんなに煙草、否、ニコチンの沼に深く深くハマっていた俺が一日に吸う本数を半分程に減らし、吸う時はベランダに出るという行為を行っていた。
…と言っても、この家、部屋は俺が数年前一人暮らしの時から使っている両親の別荘の様な物だった為、堂々と室内で吸っていた。そして消臭剤等を使用しないガバガバ性格の持ち主でもある俺が一人暮らし。だからかなり壁には煙草の匂いが染みついていた。

それに嫌な顔ひとつしなかった彼女。

優しさに、裏なんて無い様な笑顔に、全てを任せていた。

だから、彼女の笑顔の裏なんて。

優しさの裏なんて。

一切追及しなかった。

俺には浮気癖があった。
彼女と付き合ったこと、彼女と出会ったことでそれは大きく減った。
しかし完全に無くなるなんて事はなくって、自身の欲望に負け、何回かいや、何十回と手を出してしまった。
しかしUTU48と言われていた時代よりかは減っていたし、実際交際していた人数は指折りで数えられた。

しかし、俺がどんな香水の匂いをまとろうと、彼女は笑顔を崩さなかった。
優しさを忘れなかった。

正直少しは嫉妬して欲しかった。
何でも許してくれる彼女に注意されたら、止められる自信があった。

これは言い訳にしかならない。
だけれども、きっとこの感情はあったと思う。

彼女には、最大の愛を注ぎ込んできた。

今までの彼女にはそれなりに返してもらっていた。

だから、返されないのは、俺には足りなかった。

とある日、彼女が出掛けて。

その後を追うように、俺は次の日に迫った彼女の誕生日の準備をしに街へ出た。

そこで、俺は彼女が他の男と仲睦まじく歩き、恋人同士しかしないような事をする瞬間を見てしまった。

今までだって、交際相手が他の男と縁があるというケースはあった。
しかしそれはほとんどお互いの了承の上で行われていた。
それに、ほんの少しあった彼女の浮気だって、この子ならええかなで諦められたのだ。

──

短いけれど全て一話に押し込めなかった＿ｯ！
最近(も)眠いです。