【 d! 】僕色の花束を君へ【短編集】 (ページ25)

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余韻の浴室 / tntn ページ25

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ざぶん、と飛沫と音を立てながら、浴槽に張られたお湯が波打つ。

そのお湯は透き通った若草色をしており、リラクゼーション効果とやらがあるのだろう。
入浴剤の香りが湯気の広がる浴室を満たした。

思いっきりその空気を吸い込んで、今日一日を振り返ってみる。

えーっと、今日はまず朝二度寝したな。
何時もは睡眠時間２時間とかなんなら徹夜でもバリバリ起床し(徹夜に関してはこれは無関係なのだが)、日中は活動できるのだが、今日は何故だか異常に眠かった。原因は分かっている。

昨日は徹夜のまま日中仕事をし、残業を終えて家に帰り、嫁であるAも帰りが遅かったという事もあって、外食。で家に帰ってきてコネシマ達と実況、挙句の果てには実況では無く普通にゲームも始め、終わった頃にはまだ日を跨ぐ位だったので、編集を進め、いつの間にか就寝時間は今日の4時。
起きれなかったら嫌だからこのまま最近あった実写も編集してしまおうかと思ったが、Aに怒られそうなので少しでも寝ようと寝た結果、起きようとしていた6時のアラームを通り越して7時起床。これは飛び起きましたね、ええ。

このまま今日の出来事を思い出していたらこの浴槽で溺死しそうなのでやめておく。

そうしてぼーっとしていると、ふととある事が過ぎった。

ついさっきまで、ここにAが入っとったんよな。

これは意図的じゃない。ふとした思いつきだ。事実の確認だ。
俺は悪くない。

何処かの誰かに弁明しつつも俺の思考は止まらない。

ここに立ち込める熱気と湯気。それが思いつきの事実を証明していた。
一人暮らしの時は勿論一番風呂だったからこんな事は無かった。

女物のシャンプー＆リンスや洗顔フォームが置かれている。
これは彼女を抱きしめた時の香りの元である。

なんだか変態チックな思考回路ではあるが、こんなもの俺の思考の半分にも満たないものだ。
勘違いしないで欲しい。

この湯船にだって彼女は入っているだろうし、あのイタイタタオルだって彼女の実家にあるからきっと使っているだろうし…。

そう考えると、一緒に入るよりなんだか考えてしまって非常に照れる。
なんでこんな事の考えてるんですかねぇ…。

これも全部逆上せたせいやな！そうや、そういう事にしておくんだぜ。

この後何故かもう一度髪を洗うという動揺による行動を成し遂げてしまったのは墓場まで持っていく話である。

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DT感の抜けないトントン氏。
勢いで書きましたええ