毒舌な彼と。【一松】

毒舌12 素っ気ない彼 ページ13

貴「一松、ありがとう」

一松「…別に」

素っ気ない態度の一松。トド松くんから聞いたけど、「一松兄さんは結構毒吐くよ」って言ってたな。

貴「…あ」

一松「何?俺の顔になんかついてる?」

貴「ううん。一松って優しいんだなって思って」

一松「は?こんな俺のどこが優しいわけ?」

貴「猫の相手が上手だったから動物思いの人なんだなって。あと、こうして私の仕事手伝ってくれた」

『それは俺が好きでやってるだけ』

一松「鬱陶しい!!」

エスパーニャンコに本心を見抜かれて、一松は大声をあげた。

貴「そうだったの?でも、すごく嬉しい」

一松「…あっそ」

ひと通り仕事を終えた後、私は一松に連れられて路地裏に来ていた。

貴「懐いてるね」

一松「相手したら懐かれた」

貴「ふーん…」

一松「…ん」

目の前に猫を差し出された。一松から猫を受け取って頭を撫でる。

一松「…アンタって髪サラサラだね」

貴「一松…///くすぐったい」

わしゃわしゃと私の頭を撫でる一松。

貴「〜/////!」

一松「…顔赤いんだけど。熱ある?」

アンタのせいだよ一松!

一松「…送る」

貴「あ、ありがとう…。」

まだ顔が赤い私の前を歩き出した一松。

置いていかれると困るから、私は彼の言葉に甘えることにした。

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