冷たい心【鬼滅の刃】

冷たい４０ ページ42

冷たかった心が溶けるのを感じた


みんな…鬼によって大切な人を失い悲しんだ


僕だってその一人に過ぎない

父を失い、共に戦ってきた仲間を失い

それでも諦めずにここ(鬼殺隊)にいる


何故なら

これ以上、大切な人を失わない為に戦う



「………」

蝶屋敷の一室で休んでいた

あの後泣き疲れたからしのぶが貸してくれた

畳の上で大の字で寝ていたら気配を感じた

「…むー」


竈門禰豆子

鬼にされた可哀想な女の子

「…なんかよう？」

僕が冷たくそう言うと勝手に入ってきた

そして僕の頭を撫でた

その手がなんだか暖かい人の温もりを感じた


"鬼になった人は好きでなったワケじゃない"

生きたいから、死にたくないから鬼の道を選ぶ人だっている

昔、お父さんにそう教えてくれたことを思いだした

「………痛いことしてごめんね」

「…？」

「君だって………好きでそうなった訳じゃないのに…君と君のお兄さんのことあの時わかってあげられなくてごめん、一番辛かったのは君達兄妹で………、本当にごめんなさい」

自己満かと思われてもいい

ただ僕は謝りたかったから言った


僕の言葉を聞いた竈門禰豆子はにっこりと笑った

許すって言われた感じがした


「………ありがとう」

「むー！」


二人で笑った




このやり取りを見ていた人がいたことを知らずに

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