冷たい心【鬼滅の刃】

冷たい３５ ページ37

僕が名前で呼んだのがよほどだったか目を大きく開いて驚いていた


「…………一緒にいってやる」

「どこに？」

「………煉獄の屋敷に」

小芭内は幼い頃煉獄の屋敷で世話になったことがあった

彼は過去に鬼の生け贄として生きていた

鬼に食われる前に自分の屋敷を命がけで逃げたが鬼に捕まり食べられそうになった時、杏寿郎の父、愼寿郎さんが鬼の頚を斬ったとお父さんから聞いた

その後小芭内は生き残った家族の人に罵倒されてそのまま杏寿郎の屋敷で生活していた

小芭内も僕にとっては幼馴染みみたいな感じだった

小芭内は…………



「…………一緒に行けない」

「…………」

「………君は、一年前に僕を疑い裏切った、そんな奴と一緒にはいけない」


本当は信じて欲しかったのに

「…………あの時は、本当に悪かった………謝っても許されないとわかっている、けど俺はまたAと……一緒に頑張っていきたいと思っている」

「…………」

「Aが一番辛い思いしてるなら俺は少しでも助けたいと思っている」


…………わかっているよ


小芭内だって杏寿郎の死が…………信じたくないって思っていること

君は優しくて周りをよく見ているから

それに人一倍疑い深いってことも

もう一度………信じてもいいのかな？


「…………僕はまだ許すことができない、けどまた信じてみたいと思う、………もう過去のことを根に持ちたくない、前を向いて歩きたい」


僕がそう言うと小芭内はまた驚いた表情をした


「…………一人じゃ心細かったから、一緒に行こうか？」



「…………ああ」


僕は小芭内と一緒に杏寿郎の屋敷へ向かう



途中小芭内から

"ありがとう"と言われたが僕はそれに返事をせずに歩いた

冷たい３６→←冷たい３４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す