多くを愛せよ、アドレセンス【w．r．w．r．d】 (ページ8)

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【sha】私だけの人気者ページ8

シャオちゃんは、不人気って言われるくせに。

「ごめんシャオロン、ちょっとチーム入ってくれへんか！？めっちゃ人手ないねん！」
「それ言うなら足やろ…！？全然ええけどさぁ！！！」
「シャオロンくん！これ、手伝ってもらってもいい？ちょっと運ぶの重くて…」
「ええよええよ！どこに運べばええん？」

みんなに頼られるし、人気者だと思う、のです。

『うわぁぁ…！鬱先生のばかぁ！』
「えっ！？俺Aちゃんに何もしとらんけど！！」
『ひどいよ…』

幼馴染兼彼氏のシャオちゃんが、私に愛想を尽かしてしまった。
昼休み、クリームパン片手に俺に泣きついて来たのはAちゃん。

シャオロンがAちゃんに愛想つかした…？
ちょっと有り得へん話やな。
と、不思議に思ったので、ロボロも呼んで屋上で3人で昼ごはんを食べていた。

『私以外の女の子とか男の子にな？人気者やの。…これじゃ私いらへん彼女や…』クリームパンをちびちび食べながら泣きそうになるAちゃん。

気持ちは分からんでもないけど…。

成績優秀、容姿端麗で将来有望。
この学園1の美人は絶対にAちゃんや。
シャオロンが昔から悩んでて、やっと付き合えたAちゃんをみすみす逃がすと思えんけどなぁ。
どうやらロボロも同じことを思ったらしく、アイコンタクトが取れた。

『私はシャオちゃん大好きなのにぃ…』
Aちゃんが泣きべそをかいたその瞬間、屋上のドアがすごい音を立てて開いた。
「っだぁもう！！！！！A何浮気してんねんめっちゃ心配したやんか！！！」
こういう時だけタイミングええな何でなん？

『……も…………たもん…』
「あぁん！？」
声の小さいAちゃんに食ってかかるシャオロン。
威圧的やな。

『シャオちゃんだって、ほかの女の子にちやほやされてた…人気だった…』
「…！！」
『…私だけの人気者でいてよ、バカ。』

シャオロンは暫くあっけに取られたように口を開けていたが、いきなり頭をガシガシとかくと、Aちゃんを後ろから抱きしめ、こう言った。

「A以外の人気者になんてなりたないわ。…あほ、」