多くを愛せよ、アドレセンス【w．r．w．r．d】 (ページ5)

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【tn】夢見心地はハネデューのせいページ5

彼女は甘すぎる。

サラサラと靡くその髪も、どこか物憂げなその瞳も、酷く煽情的に輝くその唇も、少し控えめに笑うその顔さえ。

意図して居なくとも、此方を煽る材料にしかならないのだ。

麗しい、美しい、綺麗、
褒め称える言葉全てを持って賞賛しても、彼女は表しきれない。
色気が主張をするからだろうか、分からないが、彼女は男を煽るのが上手いのだ。

『なぁ、トンちゃん？』「んー？」
そんな麗しい女性が彼女となると、俺の悩みも尽きたもんではない。
『会社の男に勝手に連絡先交換させられてん』「えぇ嘘ぉ！？ちょ見してみ」
はい、とこちらを信頼してスマホを差し出してくれる彼女からスマホを受け取り中を見れば。
たしかに。知らぬ男の名前の連絡先がスマホに残っている。

…今すぐ消したい、が彼女の関係性をこちらで乱してしまったら、と思うと不安になる。

そんな感情が顔に出ていたのだろう。
彼女は俺からスマホを華麗に抜き取ると、慣れた手つきで連絡先を消した。
「は、え？ええんか？」『別に。興味あらへんもん。私トンちゃん以外の男に愛されたくないねん。』
むぎゅっと肉厚な俺の体に抱きつく彼女。

…嗚呼、彼女の可愛さには、いつまでも叶いそうにない。
彼女の顎を掬いひとつキスを落とせば、もっと、と強請るように舌を捩じ込む彼女。

あーあー、こんなに甘く堕ちちゃって。

『トンちゃん、トンちゃん、愛してる』
「俺もやで、誰よりも、Aの事愛しとるで」

もっと溶けて、そして甘美に堕ちて蕩けて仕舞えば良いのに。