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【em】カプチーノはコーディアルに ページ15

彼は、あまりにも女経験が無さすぎる。

付き合ってもう半年経つが、隣に立つだけで顔を真っ赤にして、口ごもり始めるのだ。

「エミさん、これからもこのまんまなら何も進まんけど大丈夫か?」
彼を通じてお友達になったトントンさんに、電話越しに言われ、私も思わず『うーん、』なんて唸ってしまう。

彼が私を十二分に大切に大切にしてくれてるのは痛いほど伝わってきている。
が、そろそろ私も彼と刺激的な事がしたい。

『んー、どうしますかね…』「Aさんから攻めてみたら?」『引かれたくないですし…』「あー…」女性はそういう心配があるんか、なんてごにょごにょ言い出すトントンさん。
私たちカップルの問題なのに、ここまで親身になられると、自分のことをないがしろにしてるのでは?なんて心配が生まれるもので。

『トントンさんこそ、彼女と大丈夫なんですか?』
「むゅぇ」

トントンさんの恋愛事情を聞こうとすれば、トントンさんから聞いたことも無い声が聞こえた。

『あ、え!?』
「…え、あのぉ、俺彼女おりませんけど…?」
『え!?』

なんと!!

私がビックリして大声をあげると、「あ、撮影始まるので一旦失礼します…」とぷちりと電話が切れる。

まさか、トントンさんが彼女居ないなんて。

人は見かけによらぬものだ、とリビングでスマホを開けば、彼からのメッセージが来ていて。




「もし今日宜しければ、夜を共に過ごしませんか?」



かなり緊張したのだろう。
なんの根拠もないのに、汗がダラダラでこのメッセージを打つ彼の姿が容易く想像出来てしまう。





『ええ、是非』







愛する彼の帰りを、カプチーノでも飲みながら気長に待とうじゃないか。









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「遂にエミさんも童貞卒業かぁ。」
「ちょ、トントンさん!?」
「なんやてエーミール!!!」
「おいその話焼肉食いながらゆっくり話そうやぁ!」
「ちょ、ちょっと!!!ゾムさんは食害したいだけでしょ!!!」

【gr】狂ったシフォンは強かに→←【kn】勇気と希望と君の笑顔



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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月3日 3時

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