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【shp】合理的とは名ばかりの ページ12

「先輩、勉強教えてください。テスト近いんで。」
放課後、先輩の教室を尋ねれば、コネシマ先輩と対1で楽しそうに話すA先輩の姿がある。

…嗚呼、こんな事でも嫉妬する自分が馬鹿馬鹿しい。
こちらを向いたA先輩のパッと明るい表情と、コネシマ先輩の「邪魔しよって」と言わんばかりの睨みが相対する。

『そうだよね〜!一年もテスト近いよね!いいよいいよ、教えてあげる!』
じゃあ行こう!と彼女は教材と筆箱を持ち、さっさと先を行ってしまう。
「では。コネシマ先輩失礼しますね」と俺がにっこりと微笑めば、コネシマ先輩は明らかに不機嫌な態度を見せる。
俺が来るまでA先輩を独り占めしてたお返しですよばーか。


図書室まで行けば、誰もいなかった。
部活もない期間なので、きっと皆ファミレスやらカフェやらで友人とわちゃわちゃと勉強してるのだろう。
其方も随分と魅力的ではあるが、A先輩と勉強をする方が俺にとっては何よりも大事なものだった。

『よし!じゃあ教えてあげる!』得意げに腰に手を当て笑うA先輩。
本当にこの人は歳と行動が一致することが少ない。
精神が幼すぎるのが大元の理由だった。

『で、ここはね〜』「…sin120°ですよね。」『なだ、わかるんじゃん!』
なんでこんなに頭いいのに私に頼るの?なんて無知な先輩だ。

こういう所に、悪い男は漬け込むのだから。

「せんぱい。」手首を掴み此方をやや強引に向かせれば、あどけなさを残したままこちらを向いて驚いている。

余りにも可愛すぎる。これは、先輩が悪いのだ。

「沢山教えてもらったお返しです。
保健体育得意なんで教えてあげますよ。もちろん、ちゃぁんと実践しますから。」


へばったりしたら、お仕置きやからな。









可愛い、好き。

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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月3日 3時

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