終わりから始まる恋の話

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だって下手に言い返したら怖そうだし、

この感じだと全く関係のない周囲の人達にも迷惑をかけてしまう可能性がある。







「彼女、ちゃんと謝ってましたよ。貴方がイヤホンをしていたから聞こえてなかっただけでは？」

感情のない声で淡々と男性に向かって言い放つとノールックで男性が私に掴んでいる腕を自然と追い払ってくれる松村。






いやいや、有難いよ？

有難いけどなんだか色々と視線が怖いよ、松村。








「おいてめぇ、今なんて言った？」


どうやら反感を買ってしまったみたいで、
物凄い勢いで松村に襲いかかろうとした男性。




相当まずい事になってる。

助けなきゃ、何とかしないと...、





咄嗟に松村の前に出て庇おうとしたけど、
その行動は松村によって簡単に阻止されてしまった。



「佐藤は余計な事すんな」

それだけ言うと私をその男性から引き離す。









"プシュー"









「おい、降りるぞ」

「えっ...」


電車の自動ドアが開く音とともにギュウギュウの車内を掻き分けながら松村が私の手を引き、猛スピードでその電車から降りる。



降りてすぐ後ろをバッと振り返ってみると、
自動ドアはもう閉まっていてその電車は次の駅へと出発していた。




幸いにもさっきの男性は追いかけてこなかった。

車内が満員でギュウギュウだったから、
ただ単に降りれなかっただけかもしれないけど。





でも取り敢えずはこれで一安心だ。







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