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第125話 byラファエル ページ36

「ほーら、出てきなって」
「う…」

壁の向こうから聞こえるのRAVENの声。いつも通りの真面目な声とは少々形容し難い。

「ラフ…に笑われませんでしょうか…」
「大丈夫だって!」

どうやら未だ愛称を呼ぶ事に慣れぬRAVENの自信なさげな声は徐々に大きくなり、ナガンに引っ張られようやく顔を出す。

「どこも恥ずかしがる所ないだろうが。似合ってるんだから」
「クロの言う通り!」

下を向いているせいで深緑色の髪に顔が隠れ表情が見えない。暫く経って、覚悟を決めたのかゆっくりと顔を上げるRAVEN。

目が合った。

「あら、似合ってるじゃない」
「だろ?」

深緑色の前髪が揺れる。普段している眼鏡を外している所為か同じく深緑色の瞳は美しく、左目付近に位置する涙ボクロは存在感を増している。

「かっこいいよ。…RAVEN」

少々驚いた様な表情を見せるRAVEN。正直もっと驚いているのはラファエル本人。自分の口からこんな台詞が零れるなど思ってもいなかった。

「…ラフも、似合っています。とても」
「…ありがとう」

淡い水色と深い緑の視線が重なる。どちらからとも無く足を進め、2人の距離が小さくなる。いつもより7cm高いラファエルとRAVENの距離が普段以上に狭まるのは言う間でも無い。

「2人ともいい感じだしコーディネートはこれで良いわね。さあレイブンくん、ラフさんをエスコートして」
「はい!?」
「当たり前でしょう、建国50周年記念の招待宴よ?2人が着ているのは正礼装のイブニングドレスと燕尾服。世界各国がレディーファーストを競い合うの」
「おう何か違うぞ」
「おう何か違ぇな」
「貴方達は戦闘員である前に”フローレンツィア代表”なんだから、それ位は身につけないと。さ、やってみて」
「は、はい…」

RAVENのぎこちないリードに、ラファエルのこれまたぎこちない動き。そう、飽くまで2人は戦闘員である。

「レイブンくん、ラフさんの背中を右手で支えてあげて」
「右手…」

言われるがままRAVENの白手袋に包まれた右手はラファエルの背中に触れる。同時にラファエルの肩が跳ねた。

「すみませんラフ、」
「大、丈夫」
「だーもう、いつまで経っても緊張感の抜けないカップルね!」
「カップルですって!?」
「当たり前よ、男女2人なんだから誰だってそう呼ぶわ。さ、続けて」

軍の中でもトップクラスに噛み合わないであろうカップルの爆誕である。
この2人をナガンがこっそり動画に撮りレオンさんを始めとした軍幹部に拡散された話は別の機会に。

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時空のラテ(プロフ) - 皆様お久しぶりです。ようやく更新です。 (6月10日 14時) (レス) @page46 id: 12bfae36c2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉@低浮上 - 梅雨瑠さん» こちらも…!ありがとうございます! (2020年10月18日 20時) (レス) id: 91c6fa7187 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨瑠 - 更新頑張ってくださいね!←読者 (2020年10月18日 9時) (レス) id: a2731c2f1a (このIDを非表示/違反報告)
らなこな@新しく始めました!(プロフ) - 臨海凛師さん» ふぁ!?読者様からのコメント...!読んでくれてありがとうございます! (2020年10月18日 8時) (レス) id: 6e36cc4795 (このIDを非表示/違反報告)
臨海凛師(プロフ) - 更新頑張ってください(読者) (2020年10月18日 6時) (レス) id: ad2c0a2c17 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サンレーム国幹部一同 x他3人 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2020年1月10日 22時

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