とある軍の幹部事情！Story3 (ページ16)

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第105話　byレオンハルトページ16

――――カルテ――――
患者氏名アイラル・N・アルシュリカ

カウンセリング内容要約
・ノール・N・アルシュリカの裏人格であると主張。
・殺害はスパイのみ。幹部に対しては「殺してはならない」との意識が働く様子(ノールの影響か？要調査)
・主人格「ノール」の存在は認識。主人格に対する敵意は無し。
・主人格は「アイラル」を認識していなかった。先ほど「思い出した」とのこと(後ほどノール本人に確認する)

追記
・DNA鑑定の結果、ノール・N・アルシュリカと同一人物であると判定。
・髪の色の変化については経過観察。

診断解離性同一性障害

治療
・他人格「アイラル」は主人格及び周囲に対する敵意を持たないため、治療は現在保留。
・主人格「ノール」が他人格「アイラル」の存続を願う場合は、治療は行わない。
・今後、「アイラル」「ノール」両者に対して定期的にカウンセリングを行う。

・「アイラル」曰く、「ノール」は数日徹夜していたとのこと。よって、睡眠剤を処方してでも睡眠をとらせる。2日間は絶対安静。

主治医レオンハルト・エールリヒ

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「……今のところは、これぐらいかね」
電子カルテに記入を済ませ、背を伸ばす。
腰やら肩やら首やらが、ゴキゴキと音を立てる。……ワタシももう年だな。そろそろ楽隠居といきたいのだが。

「さて……これをどう報告したものか」
とりあえず、親族のルーシュ君にでも相談しておくのが無難か。

全く、厄介ごとは次から次へとやってくる。退屈はしないが、爺の身には堪えるのだ。
これが終わったら有給取って、久しぶりに旅にでも行くか。うん、それが良い。

とりあえず、クロ君には後で包帯代を請求しよう。