第70話 byウィル ページ29
「ふ〜ついたついた!」
汚らしい敵を倒してようやく目的地である地下牢に来る事が出来た。やけに中が静かだな。もっとうるさい物だと思ってたのに。
扉を開けると誰かに殴られたのか右頬を抑え声も出ないかのように立ちすくんでいるレイブンと泣きながら笑みを浮かべていると言う不気味な表情のナガンがいた。
「ナガン!早く帰ろう!もう敵兵は倒し...た..よ?」
とてつもない衝撃と共に吹き飛ばされて口の中に血の味が広がる。衝撃を作り出した相手は紛れもなくナガンレアだった。邪悪な者を見るように...まるでゴミを見るような目でこちらを見ている。
「ナっ...ナガン?じょっ冗談にしてはキツイよ...?」
何がなんだか分からずにレイブンと同じように立ち竦んでいると横からナガンをこんな風にした張本人の少年の笑い声が聞こえる。
「あははははっ!面白くなってきたねぇ...君も分かってるだろうがあいつは僕の事を実の弟だと思って動いてるよ?」
レイブンは何を言っているのか分からないと言う顔をしているがこちらに目を向けてしきりに伝えようとしている。
『あいつは...あの餓鬼は正気ではありません。危ないです。総統様』
脳が正常な判断が出来ないぐらいにパニックになってしまった。レイブンの言葉を無視して少年に殴りかかろうと一歩踏み出した時
パァン
特有の破裂音と共に火薬の匂いが部屋に充満する。
その音や匂いの後にウィルの頬に赤い筋が通った。
音のした方を見ると信じがたい...いや夢だと信じたい。ゆっくりと瞬きをしてもう一度見ると紛れも無い。ナガンが撃っていた。
「私の弟に傷つける奴は誰であろうと許さない」
ナイフを取り出して僕に斬りかかってくる。その刃がむくのは僕の喉元だ。ナガンは...僕を確実に殺しにかかっている。
「うっわぁ!レイブン!他のみんなに連絡を入れて。早くしてくれ!」
「っ!わかりました!直ちに連絡します!」
その間もナガンレアは僕に向かってナイフを突き立てる。クロから貰ったレイピアを出してあくまでもナイフを避けるために使う。
「やめてほしいならそのレイピアで刺せばいいじゃーん!仲間を傷つけたくないって言う絆ってやつ?」
少年はこちらを嘲笑うようにじっとりと舐めるように見ている。正直言うと僕は凄く怖い。ナガンレアが怖い訳ではない。あの少年が怖いのだ。
「ナガン...?なぁ!嘘だと言ってくれよ!おい!ナガン!ナガン!」
薄暗い地下牢に僕の悲鳴のような声が響きわたる。
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Noel*26(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/a1de7a53d2/ 作りました( ^ω^)初めてだったから不備があったら許してください。注射一回だけ免除にするんで。() (2020年1月10日 22時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - Noel*26さん» いいよ〜 (2020年1月10日 21時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 続々編作っていいすか...story3がいいなあ (2020年1月10日 21時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。((良い子の皆様はインフルエンザに気を付けて下さいね〜、マジで辛いw (2020年1月9日 22時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しまーす。 (2020年1月7日 23時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンレーム国幹部一同 x他5人 | 作者ホームページ:無い。
作成日時:2019年10月14日 15時