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声の震えをできるだけ抑えてそう言うと瑞稀は辛そうに顔を歪めた。
…なんで瑞稀の方が泣きそうな顔するの?
「思ったけどAって俺の前では泣かないよね。
はしもっちゃんの前とかではすごい泣くのに。」
そんなに頼りない?俺、と加えた彼に心臓がぎゅっと掴まれたように切ない気持ちになって、思わずその手を私から握った。
「そんなことないよ、」
「…。」
「すぐ泣くようなめんどくさい人だって思われたくないから泣きたくないだけ。
瑞稀が頼りないなんて絶対思わないし、大体涼くんの前で泣いてたのは全部瑞稀のことだったしね。」
「…そっ、か。」
そりゃそうだよね、うん、と安心したようにふわりと微笑んだ彼に同じように笑いかけるとじゃあ仲直りね?と私の大好きな顔で言うから朝からさっきまでのドタキャンについてのイライラなんて吹っ飛んでしまう。
…単純だな、私。
なんていつも思うけどこれは惚れた弱みだから仕方ない。
「イルミネーション、行くんでしょ?
…早く行こーよ。」
変な所で意地を張って素直になれず、仲直りするともごめんね、とも言えない私の言葉にくすっと笑って歩き出した彼について行く。
「…あのさ、」
少し歩いて立ち止まり、振り返った彼は真剣な顔で口を開いた。
「別に俺はAがすぐ泣いても嫌とかめんどくさいたか思わないよ。
むしろ他の男の前で泣かないで俺の前で泣いて欲しいと思うから、辛いこととか悲しいこととかあったら俺にぶつけてよ。
そっちの方がいい。」
「…ほんとに?」
「俺、最初に重いって言ったでしょ。
おかしいかもしれないけど泣き顔も独占したいって思うし俺が知らなくてはしもっちゃんが知ってる顔があるって嫌なんだよね。」
独占欲とか束縛とか、嫌な人もいると思うけど私は嬉しいから、こんなことを言われてにやけない方がどうかしてる。
「…嬉しい、」
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あや(プロフ) - 嬉しすぎます!ありがとうございます! (2019年12月28日 22時) (レス) id: 932c67e408 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - あやさん» はじめまして!ありがとうございます!今のところ付き合ってからのお話を番外編に書こうかなーと思っています!なんかリクエストがあったらTwitterまでお願いします (_ _*) (2019年12月26日 14時) (レス) id: 94b7ce129f (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - みぃさんはじめまして!このお話しもっと読みたいです(;_;)付き合ってからのお話しもぜひ書いてください! (2019年12月26日 1時) (レス) id: 932c67e408 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 美李愛さん» 2年ですか!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!! (2019年12月24日 21時) (レス) id: 94b7ce129f (このIDを非表示/違反報告)
美李愛(プロフ) - 瑞稀くんは2年位好きだけど最高です! (2019年12月23日 19時) (レス) id: 0382d94ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃ | 作成日時:2019年12月14日 21時