りょうかたおもい ３ M.I

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あまりにも至近距離にある顔から逃げようと顔を背けようとしても近すぎて逃げられない。









「…は、離して、」

「んー？聞こえなーい。」









近いとか離してほしいとかそういう問題よりこんな人前でくっついてるのが嫌なのに。







細いのに意外と見た目より力のある瑞稀のせいで全然離れられない。









「瑞稀、ここ外だから！

とりあえず離して。」


「……。」


「いつも言ってるでしょ、人前でいちゃいちゃするカップルがこの世で1番嫌いだって。」









そう言った私の言葉に一瞬で離れた彼と、近くでいちゃいちゃしていた1組のカップル。









なんだか申し訳ない気持ちになって離れていくそのカップルの後ろ姿を見ていると、隣からじゃあ家ならいいの？と呟く声が聞こえた。









…そういうことじゃなくない？









それに、









「私達家にいたら2人とも寝ちゃうでしょ、外で動いてなきゃダメだよ。」

「えー、」









彼の家に行ったことは1度しかないけど、その1回、緊張して行ったのに2人で並んでDVDを見てたら眠たくなっちゃってどっちから寝たのかはわからないけど、2人とも起きた時にはもう帰る時間になっていた。









「じゃあ俺らもう一生お家デートできないじゃん。」


「そうじゃなくて、せっかくクリスマスなのに2人で寝て過ごすのはもったいなくない？って話。

私は瑞稀とイルミネーション見に行きたいし。
花火大会もだけどイルミネーションも見に行ったことないんだよね。」









え、行ったことないの？なんで？って瑞稀は言うけどそのニヤニヤ具合、絶対理由わかってるよね？









「…わかってるでしょ、」


「え、わかんなーい。なんで？」









…楽しそうで何より。

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