りょうかたおもい２ M.I

28 Mizuki.I ページ28

―Mizuki Side―


そして縁日の準備をする今に至るんだけど…









「やばい。」









早く謝らなきゃもうタイミングがない気がする。









とは言っても全く話さなくなってしまった今、いつ言えばいいかわからないわけで、ここで呑気に縁日で出す豚串を焼いているわけだ。









1日目も2日目もAとシフトが違うから縁日をやってる間は絶対に話せそうにない。









「どうしようか。」









どのタイミングで言えばいいのか、今後の予定を思い出して豚串を焼きながら考えていると隣に人の気配。









「瑞稀、」


「んー？」


「Aちゃんと作ちゃん、一緒に花火見るってさー。」


「…え？」









はしもっちゃんの告げた言葉に頭が一瞬で真っ白になる。









「それ、は、どういう…」


「そのまんまだよ。」









…遅かった。









ろくにAと向き合うこともせず嫉妬で嫌な態度とって一方的に無視したりした俺の臆病さのせいでAは他の男と花火を見る…









「そんなの、」









あーそうですか、なんて流せるわけがない。









「瑞稀さ、そろそろ覚悟決まってるでしょ？」









奪っちゃう？、そうニヤリと笑ったはしもっちゃんに当然、と同じように笑い返した。









もう謝って仲良くしようなんてそんな甘いことも言ってられない。









「…絶対誰にも渡さない。」

29 Mizuki.I→←27 Mizuki.I

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す