三十話 ページ31
芥「死を惧れよ」
芥「殺しを惧れよ」
ずるずると、谷崎さんに刺さっていた何かが抜けていく。
芥「死を望む者」
芥「等しく死に、望まるるが故に──ゴホッ」
ナ「兄様ッ!!」
倒れた谷崎さんに駆け寄ろうとするナオミさん。
中「待って下さい!危な」
ナ「きゃ!」
ナオミさんの目の前で、黒い何かが駆け抜けた。
彼女に駆け寄って、肩を支える。
ちらりと僕とナオミさんに視線を向けて、彼は喋り始めた。
芥「……お初にお目にかかる、
そこまで云って、げほごほと咳き込む芥川。
彼に彼女──樋口さんが駆け寄った。
樋「芥川先輩、ご自愛を──此処は私ひとりでも!」
芥川は訴える彼女の頬に平手打ちをした。
驚く僕らを尻目に、彼は言葉を発する。
芥「人虎は生け捕りとの命の筈。片端から撃ち殺してどうする、役立たずめ」
樋「──済みません」
彼女は紅くなった頬を押さえながら、俯いた。
いや、待て
ナ「人虎……生け捕り、って」
中「あんたたち、一体」
芥「元より僕らの目的は、貴様一人なのだ、人虎」
──僕?
芥「そこに転がるお仲間は──いわば貴様の巻添え」
その言葉に愕然とする。
中「僕のせいで、皆が──?」
芥「然り。それが貴様の業だ、人虎。貴様は」
……同じ様な事を云われた記憶が蘇る。
僕が居るから?僕さえ居なければ──
二人共、無事だったのか?
呆然と座り込む僕の両肩を、誰かが掴んだ。
顔を上げると、怖い顔をしたナオミさんが、僕を見下ろしていた。
……それもそうだ、僕の所為で自分が、谷崎さんが怪我をしたんだ。怒って当然──
ナ「しっかりして下さい!あんなやつの云う事なんて、聞く必要無いですわ!」
中「……え」
ナ「兄様も、私も!誰も敦さんの所為だなんて思ってないですわ!私達は自分の意思で此処に来たんです!それに敦さんは」
ナ「──自分の身を挺して、助けようとしてくれたじゃないですか!」
ふと、入社試験の事を思い出した。
彼女は怒っているんじゃない。僕を励ましてくれているのだ──傷だらけの体で
涙が、零れそうになった
ナ「ですから……」
そんなナオミさんの背後から、黒い何かが彼女を襲おうと飛びかかってくる。
僕は、彼女を抱えて、地面を蹴った
三十一話:貴「途中で敦君side終わるけど、メタい話をするとそこから原作と同じになるので、私に目線が戻ってまーす」→←二十九話
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ゆ - 終わり!?よければ続きを書いていただきたいです! (8月4日 16時) (レス) @page40 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)
アミィ(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年11月20日 19時) (レス) @page40 id: c9eebc8f54 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - すごく面白いです! (2020年5月27日 15時) (レス) id: bb617ea598 (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 面白いです!続きが気になります! (2019年6月25日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
りぼん - 国木田さん大好きなんでオチ希望です! 続編全裸待機 (2019年5月5日 1時) (レス) id: b54d609d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮野 x他1人 | 作成日時:2017年2月16日 16時