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二十九話 ページ30

狭い路地で銃声が鳴り響く。
暫くしてそれは鳴り止んだ。

……僕は一発も中っていない。

僕の目の前では、座り込んでいる谷崎さんと、その前ではナオミさんが両腕を広げて立っていた。

ナ「兄様……大丈、夫?」

谷「だ、大丈夫ッて……ナオミは!?ナオミこそ大丈夫なのッ?今、撃たれて……!?」

ナ「えぇ……皆月さんが、このままだと撃たれてしまうからと、鉄板をくださったんです。其れを背中に仕込んでましたの」

谷「本当にッ!?そッか……良か」

そう云って谷崎さんはナオミさんの腕を掴んだ、けど……

谷「ナオミ……うで、」

震える手を彼女の腕から離した。
彼の手にはべったりと、赤い血が付いている。

ナ「……腕までは、流石に」

彼女は痛みを堪えているのか、困ったように眉を下げて笑う。
それを見た谷崎さんは、ギリッと歯を噛み締めた。

谷「……ナオミ、敦くん。奥に避難するンだ。こいつは──」

ボクが、殺す

僕からは谷崎さんの顔が見えない。けど……

今の彼が、とても怖い。

彼女も、その何かを感じ取ったのだろう。再び銃を乱射する。
しかし、

樋「!?」

谷崎さんの姿が、幻の様に消えた

谷『ボクの『細雪』は──雪の降る空間そのものを、スクリーンに変える(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

樋「なっ……何処だ!」

谷『ボクの姿の上に背後の風景を『上書き』した。もうお前にボクは見えない』

樋「しかし……姿は見えずとも弾は中る筈っ!」

彼女は自分の周囲に銃を発射する。
けど……

大外れ

樋「──ッ!?」

背後から突然、谷崎さんの腕が伸びてきて、彼女の首を絞める。

谷「死んで終え──!」

ぎりぎりと、手に力を込めていく谷崎さん。

不意に、咳き込む声が聞こえてきて

谷崎さんが、どさりと倒れ込んだ。

倒れた彼の後ろには──

写真で見た『彼』が、立っていた。

三十話→←二十八話:国「太宰。いい加減仕事を──ん?何だ、何処へ行った」貴「さぁ?それより説明、お願いします」貴(谷崎さんと、ナオミちゃん、無事だといいな)


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- 終わり!?よければ続きを書いていただきたいです! (8月4日 16時) (レス) @page40 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)
アミィ(プロフ) - 続き楽しみです! (2022年11月20日 19時) (レス) @page40 id: c9eebc8f54 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - すごく面白いです! (2020年5月27日 15時) (レス) id: bb617ea598 (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 面白いです!続きが気になります! (2019年6月25日 18時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
りぼん - 国木田さん大好きなんでオチ希望です! 続編全裸待機 (2019年5月5日 1時) (レス) id: b54d609d72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宮野 x他1人 | 作成日時:2017年2月16日 16時

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