【文スト】大学行こうとしたら人にぶつかって、謝ろうと振り返ったら横浜のド真ん中で(゜ω゜)!?ってなってます【トリップ】 (ページ29)

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二十八話：国「太宰。いい加減仕事を──ん？何だ、何処へ行った」貴「さぁ？それより説明、お願いします」貴(谷崎さんと、ナオミちゃん、無事だといいな) ページ29

時間は少し遡り、敦君と谷崎兄妹が事務所を出た後──

国「では、説明を始める」

貴「はぁい」

国「始めるが……」

ちらりと、国木田さんは視線を向ける。
ソファーに寝そべっている太宰さんの方へ、だ。

国木田さんは、チッと舌打ちしながら彼の方へ歩いていき、ヘッドホンを取り上げて、怒鳴りつける。

国「おい太宰！仕事は如何した！新人の目の前でだらしないぞ！」

そうなんだよなぁ
この人、樋口さんの計画に気付いて盗聴器しかけてて、今それを聞いてるのに、だらしないって思われてるんだもんなぁ

もったいないよね、凄い人なのに
まぁ日頃の行いのせいだよね、うん( ´艸｀)＜ﾌﾟｰｸｽｸｽ

太「天の啓示待ち。そ・れ・に～」

太宰さんは私を見て、パチンとウインクを飛ばしてくる。

太「Aちゃんは、だらしないって思ってないでしょ？」

……こっっわ

これ、完全に私も樋口さんの計画に気付いてるってバレてるよね

ﾔﾀﾞｰ笑み浮かべてるじゃないですかーﾔﾀﾞｰ

取りあえず、真顔で首を傾げておいた。

貴「……さぁ？どうでしょう。さ、国木田さん。説明お願いします、時間は有限ですよ」

国「……あぁ、そうだな。こんな奴に使う時間など無い。始めるぞ」

太「えー、二人共冷たぁい」

なんて事を言っている太宰さんを無視して、国木田さんの説明を受けた。

・・・
・・
・

それからしばらく経って

国「この場合はそうだな……似たような書類が有ったはずだ。少し待ってろ」

貴「はーい」

見本となる書類を探しに国木田さんが席を立つ。
必然的に、部屋の中は私と太宰さんだけになった。

今はどうなっているんだろうと、ちらりと視線を向けた瞬間、目を開く太宰さん。

……あぁ、樋口さん発砲したのか

そう思った時、ガバッと太宰さんが起き上がって、バッチリ私と目があった。

貴「……」

太「矢張り、何も聞かないんだね？ふふ、国木田君には内緒にしててね」

しーっと人差し指を唇に当てつつ、事務所から出ようとする。
そんな彼の背中に向かって

貴「……いってらっしゃい、気をつけて。四人共、そろって帰って来て下さいね」

そう言葉をかけると、彼は目を丸くした後、にこりと笑った。

太「うん、有り難う」

扉を開けて、彼は事務所を出て行った。