八話 ページ9
中「首領もなァ……悪い人じゃねェんだけどよぉ……」
貴「おー……あ゙?いや、その言葉には同意出来ねェわ、ポートマフィアの首領だぜ?基本悪い人じゃねェ?」
中「……それもそうだな。あっはっはっは!」
あの後、二人共無事に仕事が終わり、約束通り飲みに来ていた。
既に中也は出来上がっていて、俺の肩をばしばし叩きながらゲラゲラ笑っている。
……飲みに行くのはいンだけどさァ。酔っ払った中也は嫌いなンだよねェ……五月蝿いし、力加減出来ないからふっつーに痛ェし
とか思ってる場合じゃねェわ。そろそろ止めよう、俺の肩が本気でヤバくなッてきた。やべーやべー肩外れるッて此れ
貴「おうおうそうだな、面白いなーてな訳で其れ止めようなー中也ァ……痛ェから其れ本当に」
中「あンだよォ……Aはンなヤワじゃねェだろォ?」
貴「ヤワじゃねェけど、痛いモンは痛いの!中也だって叩かれたら痛ェだろ?ほれ」
バチン!と勢い良く彼の背中を叩く。
大きく仰け反った彼は、背中をさすりながら頷いた。
中「おう……いてェな。でも俺ァ平気だぜ」
貴「手前みてェな小ゴリラと一緒にすンな。俺はひ弱な人間なの。ゴリラにずっと叩かれたら折れちまうっつーのォ」
それを聞いた中也は納得したように声を上げたが、不意にグラスをダァン!と叩き付けた。
中「誰が小ゴリラだ手前!俺だって人間だっつーの!」
酔っ払ってスルーされると思っていたが、意外にも彼は言葉を返してきた。
げ、そんな酔ってなかったのか此奴
貴「あ?何だ云う程酔ってなかったかァ……ゴリラじゃんお前。何回素手で壁ぶっ壊してると思ってンのォ?俺なんて0回だぜ、0」
中「俺は異能力使って壊せてるだけだからな!異能力無しだったら無理だっつーの!」
貴「ハッ、どうだかねェ……其の気に成ればいけんだろ?雄叫び上げながらさァ」
中「だっからゴリラじゃねェっつーの!ぶっ飛ばすぞ手前!」
パキン、と音がして中也が持っていたグラスが割れた。うっっっわマジか此奴、店のグラス割りやがッた
貴「あーあー、判ったってェ。中也もおんなじ人間ねHumanね判った判った。憶えたよォ」
中「うるへぇ……手前も何時か青鯖と一緒にぶっ飛ばしてやるぅ……」
えっ、一寸待てや。何で俺治と一緒にぶっ飛ばされないといけねェの?
中也にそんな嫌がらせした憶え無いンだけど??
記憶を探りつつ、寝ている中也を横目にグラスの中の酒を飲んだのだった。
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作者名:宮野 x他1人 | 作成日時:2017年2月10日 21時